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いきいき快適生活

介護・シニア

被災地の赤ちゃん・妊婦、体温める

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幼い子どもの姿も目立つ避難所(福島県田村市で)

 被災地には、妊娠中の女性や赤ちゃんを抱えた産後の母親もいる。妊産婦や乳幼児は環境変化の影響を敏感に受けやすい。避難所など非常時の生活が続くなか、周囲も心配りをしてほしいと専門家らは助言している。

 「寒い被災地では、赤ちゃんが冷えないよう、しっかりと保温してあげることが大事です」と話すのは、3人の子どもを持つ「危機管理教育研究所」(横浜市)の国崎信江さんだ。

 救援物資などの入っていた段ボール箱を、ベビーベッドとして再活用する方法を提案している。ミカン箱程度の箱の中に毛布を敷き、赤ちゃんを寝かせる。上面は開けておき、見えやすいところに「赤ちゃんがいます」などと、大きく書いておくと、周囲の人に分かりやすい。

 「赤ちゃんの体をタオルなどで巻いてからレインコートやラップなどで覆ってやれば冷気を遮断できる。手足をさすって血行をよくしてあげるのも効果的」と国崎さんは助言する。

 兵庫県立大教授の片田範子さん(小児看護)は「赤ちゃんが少しでも快適に過ごせるよう工夫を」と呼びかける。

 お風呂に入れることが難しい間は、汚れやすいお尻や口の周りなどをガーゼやさらしなどで度々ふいてやる。ギュッと絞らず、ある程度、水分を残した状態で優しくふき取る。おむつをつけるのは、肌に湿気がなくなってから。出来ればお湯を使い、温かい布でふいてあげたい。

 赤ちゃんの様子をよく観察することも欠かせない。「おっぱいやミルクの飲みが悪くなった場合は、すぐに避難所の係員を通じて医師や保健師に相談を」と片田さん。

 「避難生活でストレスが募ると、母乳が出なくなったり、早産になったりする。落ち着ける環境を周囲の人が与えてあげてほしい」と、日本助産師会の専務理事、岡本喜代子さんは話す。

 授乳中の母親は、自然災害の後などに母乳が出にくくなることが珍しくないが、不足分を粉ミルクで補いつつ、おっぱいを吸わせ続けることを岡本さんは勧める。「抱っこされることで赤ちゃんは安心する。落ち着くとまた母乳は出るようになるので、あきらめないで」と言う。

 また、避難所で、できるだけ赤ちゃんと母親には大部屋とは違う空間を用意してほしいと岡本さんは言う。「阪神大震災の時も、赤ちゃんを泣かせないようにと神経を使い疲れ切った母親たちがいた。妊産婦も、困った時は専門家に相談してほしい」

 同会は、無料電話相談を行っているほか、携帯メールで質問できる「助産師マタニティサポート」(http://josanshi.net/)に無料相談窓口を開設した。同会の連絡先は、03・3866・3054。

 途上国で被災した妊産婦の援助を行ってきたNGO「ジョイセフ」(東京)の事務局長、石井澄江さんは「大規模災害の後、妊婦は緊張が高まって早産や帝王切開になるケースが多い。妊婦のストレスを軽減するため、本人も周囲も配慮してほしい」と話す。

 具体的には、おなかが張るなど異常を感じたり心配事があれば専門家に相談すること、妊婦が体を冷やさないことなどが大事だという。

 「避難生活では、生理用品が不足するなど、女性特有の悩みや困難が生じることが過去の震災体験からわかっている。女性や赤ちゃんが着替えたり安心して使えるスペースを確保することが望ましい」と石井さんは話している。

 厚生労働省では14日、母子手帳の交付、妊産婦や乳幼児の健康診査などについて、住民票の異動の有無にかかわらず、避難先である自治体で受けられるよう各自治体に要請した。

被災地の妊婦、乳児と母親へのアドバイス(日本助産師会の話を基に)
【妊婦】
▽胎児がおなかのなかで元気に動いていれば大丈夫。胎動が減る、おなかが張って痛くなるなどしたら病院搬送を依頼しよう。
▽冷えるとおなかが張りがちになるので、靴下、使い捨てカイロ、毛布などで保温して横になろう。
【乳児と母親】
▽赤ちゃんも不安を感じるため、できるだけ抱っこして添い寝しよう。
▽お乳をしっかり吸わせよう。一時的に母乳の出が悪くなっても、与えていると出てくる。
▽心配事は巡回の助産師らに相談しよう。女性同士で不安を話すだけでも気持ちが落ち着く。
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