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世相にメス 心臓外科医・南淵明宏ブログ

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テレビCMが大嫌い

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 テレビのコマーシャルを自動的にスキップしてくれる録画機が製造中止! こんな記事が新聞に載っていました。

 大変驚きました。まずそんな素晴らしい機械が既に売られていた事実に驚きました。

 テレビの下らないコマーシャルの撲滅は全人類の悲願です。テレビ番組はいわゆる「コマーシャルまたぎ」という手法で、みんなが見たいところの直前にコマーシャルを入れることがしばしばあります。

 例えば、ダイエット法を紹介する番組。「激やせして絶世の美女に!」と、その女性がスタジオに登場して、顔が映る瞬間、画面はコマーシャル! 

 バラエティならまだしも、報道番組でもそういった手法がとられることもあります。「犯人と被害者の間には意外な接点が!」 はいコマーシャル。

 「これを社会に伝えたい」という熱意や「報道の正義」より、とにかく「スポンサー様のメッセージ」が圧倒的に大切なのでしょう。

 広告宣伝で成り立っているのだから当たり前、というご説がどこからか聞こえてきそうですが、あまりにくどいと逆効果。興味が覚めてしまって「もう寝よう」とか、「こんなしつこい宣伝の仕方する会社の商品なんか絶対に買わないぞ!」という気になってしまいます。

 コマーシャルをカットする録画機器はそういった「コマーシャル・フォビア(※)」現象を救済する、言ってみれば放送局の利益を思った思いやりの機能であったのではないでしょうか。

 そうでなければ、テレビを観たくなくなる人が一層増えるからです。

 観たいのは八百長のなしのスポーツだけなので、いまのテレビ番組はおもしろくない。だからテレビなんか欲しくない。コマーシャルなんて大嫌い。

 みんながそう思うよう、テレビ業界やその周辺の人達が仕向けているのではないでしょうか。

 パラダイムを打ち破って次の世界に足を踏み入れなければ未来は来ません。コマーシャルを自動的に飛ばす録画機の製造中止は、テレビ業界が自沈していくひとつの節目の出来事として、後に語られるかもしれません。

 ※ フォビア=恐怖症。嫌悪感を持つこと。

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南淵明宏ブログ_顔87_87替

南淵明宏(なぶち・あきひろ)

1958年大阪生まれ。大崎病院東京ハートセンター(東京都品川区)のセンター長。心拍動下(オフポンプ)冠状動脈バイバス手術のスペシャリストとして年間200例以上を執刀する心臓外科医。

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