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[いとしの古墳](1)謎に興奮、ロマンに夢中

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 (いにしえ)のロマンを感じさせる古墳。歴史好きはもちろん、一般の若い女性ファンも増えている。魅力を紹介するトークショーが開かれたり、出土品が街おこしのキャラクターに採用されたり。暖かくなってきて古墳巡りに適したこの季節、今風の楽しみ方を探してみた。

「石舞台」「仁徳陵」歌い上げ

石舞台古墳の映像の前で歌う「まりこふん」さん。「古墳の個性を表現した曲を歌っていきたい」(東京カルチャーカルチャーで)=若杉和希撮影

 ♪むき出しの石舞台、想像以上だわ、私の大スターねぇ――。東京都内の居酒屋で、歌手の砂川麻里子さん(32)が、ブルースを歌い始めた。道に迷って古墳にたどり着けない様子を歌うと、哀愁を帯びた曲調との落差に客が思わず噴き出した。

 巨大な横穴式石室で有名な石舞台古墳(奈良県明日香村)を訪ねた時の印象を元に昨年末、「(はる)かなる石舞台」という曲を作った。芸名は「MARI」だが、古墳の歌の時だけ「まりこふん」を名乗る。

 夢中になるきっかけは2年前に見たテレビのアニメ番組。古墳がテーマで、インターネットで調べると、多彩な形の古墳がある。特に気に入ったのが前方後円墳。「どうして鍵穴の形なの? この目で確かめたい」とライブ先などで古墳を巡るように。堺市で訪ねた仁徳天皇陵(大山古墳)を題材に「麗しの仁徳陵」という曲も1年前に作った。

 3~7世紀に有力者の墓として造られた古墳からは、由来を記した記録がほとんど見つかっていない。そのため、疑問が次々とわいてきて、当時を勝手に想像できるのが楽しい。立ち入りが許されていれば、墳丘に登って周囲を見渡す。「この景色を古代の人たちも眺めていたのかと思うと、タイムスリップしたようで興奮してきます」

 友人と「古墳部」を結成したのは、帽子デザイナー兼イラストレーターのスソアキコさん(48)。「雑談で古墳の話をすると、盛り上がったので、『大人の部活動』として古墳巡りを楽しもうと思いました」

 「部員」と各地の古墳を泊まりがけで回った。仕事と関係のない古墳を(さかな)に、想像を交えて気楽なおしゃべりを楽しむ。陶芸作家なら出土した焼き物について、グルメに詳しいフリーライターは当時の食べ物について話が膨らむ。

 一般の女性が戦国武将にあこがれたり、歴史小説に夢中になったりする「歴女(れきじょ)」ブームが追い風となり、古墳ファンの横のつながりも広がっている。昨年末、都内のイベント会場「東京カルチャーカルチャー」で開かれた「古墳でコーフンナイト!」もその一つ。まりこふんさん、スソさんらが「埼玉(さきたま)古墳群」(埼玉県行田市)や石室の壁画が美しい古墳など、観光地としても魅力的な古墳について話し、幅広い年代の約30人が熱心に聞き入った。好評で4月も同様の催しを計画中だ。

 イベントを企画した同会場のプロデューサー、テリー植田さん(39)自身、古墳の多い奈良県桜井市出身で大の古墳ファン。「古墳は謎に包まれ、素人も想像を膨らませられるロマンがある。実際に訪ねると、圧倒的な大きさや墳丘の傾斜のきつさなど、本やネットではわからないことを体感できて、本当に面白いんです」

全国に約12万基

 文化庁の調査(2006年度)によると、国内に残る古墳の数は約12万基。兵庫や京都、千葉などに多く、それぞれ1万基を超えている。

 宮内庁が天皇などの陵墓として管理する古墳は、敷地内に入れないが、周辺が公園として整備され、観光スポットになっている古墳も多い。埼玉古墳群のように展示施設を併設している場合もあり、歴史的背景を理解したり、出土品を見たりできる。石舞台古墳も石室内部が一般公開され、その大きさを体感できる。

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