すてきライフ
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役作り 母は一番の資料
子どものころから、将来は何かを創造していく仕事をすると思っていました。
両親とも画家で、二人とも自分の気持ちや感性を大切にしている。私は早く成熟し、違う感性を与えられた気がします。だから将来の希望を学校の先生に説明するのに苦労した覚えもあります。「夢みたいなことを」みたいに言われて。
母は天真らんまんで、感受性が豊か。仲はいいんですけど、私と性格が近すぎるのか、今でもよくぶつかります。思春期の時も激しくぶつかりましたが、私を見捨てず、糸の切れたタコのような私をたぐり寄せて、怒ったり、激励したり、甘やかしたり。正直、うっとうしかったですけど。
でも、私がいろいろな事に愛情深く接することができるのも、母親が、私という子どもにこだわってくれたからだと思います。最近は母親役が多いのですが、一番の資料なんで、母を参考にしています。
父は作品に対して他者を寄せ付けず、己を通すという点で、よりクリエイティブです。二人のいい部分を吸収できたのはありがたいこと。私はまさに二人に作られたんだと思います。(聞き手・小山孝、写真・高橋美帆)
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鈴木砂羽(すずき・さわ)さん 女優。1972年生まれ。5日公開の映画「わさお」に出演。今月20日から、NHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」にも出演予定。
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