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キレイをつくる 「三つの妙薬」

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 書店には、腕のいいメークアップアーチストが直伝する化粧術や美顔マッサージ、センスのいいスタイリストの服装コーディネートなど、さまざまな美容関連の書籍が揃っています。美人と称される人気女優や、セレブで聡明な美容研究家が実践している食事や美容法、スタイルを整える手軽なエクササイズなど、実践すれば著者と同じくらい綺麗になれそうな気分になります。

 いま以上に美しく、もっと綺麗になりたいという気持ちは、世界中の女性の切なる願望として、いつの時代も普遍的なものでした。女性が手に職をつけ、男女平等に働くことができなかった時代には、容姿端麗ということが人生を左右するだけでなく、実家の権力や、国の政治に影響を及ぼすこともありました。もちろん、家同士が取り交わした政略結婚などのように、お互いの顔さえ知らされずに結婚した女性も少なくありません。しかし、権力者の中には美しい側室を何人も抱える人もおり、器量次第で高貴な人から寵愛を受けることもありました。そんな時代、女性にはより愛されたい、より美しくなりたいと願わずにはいられなかった人もいたことでしょう。

 
小野小町 (草紙洗小町)

 現在、内藤記念くすり博物館では、企画展「綺麗の妙薬~健やかな美と薬を求めて~」を開催しています。女性を艶やかに輝かせた妙薬、化粧品、化粧道具、そして美しく生きるためのノウハウが記されている江戸時代~明治時代にかけての書物などを展示しています。その中から、現代を生きる女性にも通じる、綺麗になる妙薬(心掛け・方法)をご紹介します。

 日本史上の美人で、誰もが知るのは「小野小町」です。後世に名を残すほどの美人ですから、相当な美人だったと思われがちですが、実際の容貌は月並みだったという説もあり真相には謎が残っています。しかし、美人とうたわれた理由があるはずで、その理由の一つとして、和歌を作る秀でた才能にあったと言われています。心豊かで知性を備えた女性は美しく見えた、ということでしょうか。

 江戸時代の武家や商家の婦女子が使っていたと思われる書物も展示しています。読み書きを覚えるための教本に始まり、百人一首や源氏物語などの古典文学、倫理書や教訓書、家内で役立つ暮らしの知恵書、そして具体的な美容法が記された美容読本まで、さまざまな書物をもとに女性は知識と教養を深めました。綺麗をつくる一つめの妙薬は、「書物に学び知性を磨く」と言えるようです。

 
企画展展示風景(芍薬と牡丹と百合の花)

 二つめの妙薬は、「健康な体をつくる」ことにあります。健康美という言葉があるように、調子がよいと健康的な美しさがにじみ出ます。はつらつとした血色、艶やかな顔色、バランスのよい体型や動作のために、体質や体調に合った食物や薬草などを必要に応じて摂取しました。

 デリケートな女性の体を癒す婦人薬、生理不順や更年期障害など、体質や生活環境によって異なるだるさや不調、崩れたバランスを薬によって治そうとしました。現代では、ビタミンやミネラルなど数多くのサプリメントの中から必要な成分を補うこともできます。適度な運動と栄養は健康な体をつくり、体の内側から美しくしてくれます。

 そして三つめの妙薬、「化粧をほどこす」という方法は欠かせません。いっそう美しく見せるのはもちろんですが、身だしなみや外出時の化粧、自分自身に自信を持ったり、気持ちを豊かにしてくれる効果ももたらすようです。化粧は、その人の魅力を何倍にも引き出してくれます。

 今回の企画展では、このような「綺麗の妙薬」をご紹介しています。「教養」、「健康」、「化粧」この三つの心掛けしだいでキレイ度が増していくのかもしれません。美しさにゴールはないとも言われています。絶世の美女であってももっと美しくなりたい、年齢を重ねても美しくありたい、と願うことでしょう。

 「綺麗の妙薬 ~華やかな美と薬を求めて~」は、3月27日(日)まで開催しています。ぜひ綺麗の妙薬を見つけに来てくださいね。(内藤記念くすり博物館 野尻佳与子)

 企画展の詳細はこちら

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