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(1)眠らない国、日本

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 2月3日と毎月23日は「不眠の日」です。これにちなんで発足した「睡眠改善委員会」メンバーの杏林大学医学部精神神経科の古賀良彦主任教授が3日、都内で「かくれ不眠」の解消法について講演を行いました。その内容をお伝えします。

古賀良彦(こが・よしひこ)
1946年東京生まれ。医学博士。慶應義塾大学医学部卒業。95年から、杏林大学医学部精神神経科主任教授
NPO法人日本ブレインヘルス協会理事長
主な著書:「心の薬辞典」「いきいき脳の作り方」「脳をリフレッシュする大人のぬりえ」ほか

睡眠改善委員会のHP http://www.brainhealth.jp/suimin/

日本における「不眠」の実態

古賀良彦(こが・よしひこ)さん

 私は精神神経科医をしておりますが、毎日、患者さんの「眠れない」という訴えが非常に多く、そのような、決して軽くない不眠の患者さんには従来の睡眠薬を処方しております。

 最近、様々なメディアや調査研究で、不眠を訴える方が大変多いといわれています。また、それが様々な問題の発端となっています。

 不眠でも重くないが、悩みを持っている方になんらかの積極的な手当てをしてあげたいということで、「睡眠改善委員会」を発足しました。

 日本は不眠が多く、2年前の新聞記事ですが、非常にストレスが高い時代になっているということは、みなさんご承知だと思います。一人暮らし、睡眠不足がストレスの原因だといっています。日本、特に東京在住の方の睡眠時間は5.6時間と短く、世界主要都市の中でも日本人がもっとも睡眠時間が短いと、取り上げられています。2年前のOECDのデータですが、日本人の睡眠時間を1とした場合、他のOECD加盟国は結構寝ているんですね。フランス人は1.2倍も寝ています。多くの先進国は日本人より寝ているという事実があります。

 日本人はどのくらい睡眠が不足しているかという調査を行いました。中でも働き盛りの健康な20代から40代の方々約1万8000人から回答をいただきましたが、睡眠に関して不満や悩みを持っている人は、53%でした。改めてその結果に驚きました。

 悩みの1位は寝ても疲れが取れない(43%)、2位朝スッキリと起きられない(39%)、3位目覚めが悪い(29%)と、朝までずっとストレスを持ち越す人が多いという結果でした。

 では、ご自身が悩みを改善するために努力しているかという質問をしたところ、約9割の方が積極的に行動をしていませんでした。積極的に行動していたのは、わずか11%でした。実に驚くべき数字です。こんなことが、今回、私が委員会を発足するきっかけとなりました。

「不眠」がもたらすリスク

 一般的に眠れないと、人はどうなってしまうのか簡単におさらいしましょう。睡眠がいいといいますが、眠るとどんなことがいいのでしょう?

 レム睡眠という言葉はみなさんもご存じかとおもいますが、睡眠の2割を占めています。前日に仕事や家庭で得たいろいろな情報を整理し、必要な情報だけを記憶の中にとどめておき、不要な情報は整理して捨ててしまう。大変重要な操作をレム睡眠の間にしています。脳は睡眠の間にしっかりと仕事をしているんですね。

 ノンレム睡眠では、体のストレスが楽になります。眠れば疲れが取れる。昨日の晩は傷が痛かったけど、朝起きたら治っているというように、体の病気も治す。睡眠は心と体の健康に大変意義深い大事なものだということをまず念頭において、これからの話をお聞きください。

 つまり、睡眠は食事や運動と同じように健康を保つために重要な要素であります。だけど、人はなかなか睡眠を大事にしていない。眠れないとどうなるかというと、ストレスがたまる、生活リズムが乱れる、睡眠を大事なことだと思わないと、肥満、寿命が短くなる、高血圧、糖尿病になりやすい、うつ病、日常生活への影響が心配されます。

 どういう方が太るかというと、7~8時間寝ている人はあまり太らない。それより、長くても短くても太るというデータがあります。また、平均睡眠時間が7時間前後の人が男性も女性も死亡率が低くなっているという結果も出ています。高血圧症患者の約半数が不眠を訴えています。入眠障害、睡眠維持障害といった、寝つきが悪い、寝てもすぐ起きてしまうという人は、高血圧になる可能性が2倍近くになります。

 同じようなデータが、糖尿病にもあり、入眠障害、睡眠維持障害を持った方は、2型糖尿病(生活習慣の乱れなどから、血糖値を下げる働きを持つインスリン分泌機能が低下した糖尿病)の方の発症率が2倍から3倍にもなっています。

 うつ病では、重い睡眠障害の方が男女とも多くいます。このように睡眠が取れないことにより、様々な身体的な重大な障害が起きています。

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