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パネルディスカッション(5) 便潜血による早期がん発見率は半分ほど

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 ――会場の皆様からご質問をいただきました。時間の許す限り、講師の皆さんにご質問にお答えいただこうと思います。

 

 まず、検査についてです。74歳の男性から「毎年の便検査でどのぐらい大腸がんを発見できますか」。それから、67歳の女性から「大腸がんの便潜血検査はどのくらい信用できるのですか。やはり内視鏡検査のほうがいいでしょうか」というご質問です。

 渡辺 進行がんでしたら8割から9割、便潜血で見つかります。早期がんの場合には、約半分、便潜血で見つかります。それから、便潜血と内視鏡というのは全然レベルが違う話で、きちんとした早期がんを見つけるためには、やはり内視鏡で見つけるしかないということです。そのきっかけを便潜血がつくるというだけの話だと思います。

 便潜血検査は、毎年受けた方が良いと思います。

 ――次に、自覚症状についてなんですけれども、先ほども説明がいろいろありましたが、57歳の女性から「がんの下血、がんによる出血と、痔の違いはどういうことでしょうか」というご質問です。

 掛地 違いははっきり言ってわかりません。痔による出血と、大腸がんによる出血などは、同じ血液です。症状や出血だけで、痔なのか、それともがんなのかというのはわかりません。すぐに病院で詳しく調べてもらうのが一番いいだろうと思います。

 ――再発についてです。45歳の男性から「同じ大腸がんでも、再発の確率が高い人と低い人がいるのでしょうか。それは、どういうふうに違うのでしょうか」というご質問をいただきました。

  大腸がんの周囲をどこまで広げて手術をするか、ということが関係します。同じ大腸がんでも、広く取った人と、小さく、がんの部分とその周囲しか取らなかったような人では、小さくしか手術してない人のほうが再発率は高くなる可能性があります。もしかしたら取っていない外側の部分にリンパ節転移が残っているかもしれないからです。

 

 例えば、腸閉塞などがあって緊急手術になり、原因がよくわからないまま手術をして、十分に広く取らないで、とりあえず取ってきたというような手術をした場合、再発率は非常に高い可能性があると考えるべきだと思います。あとは、中原さんが27個中1個のリンパ節転移があったとおっしゃいましたけれども、もし27個中15個とかリンパ節転移があったとしたら、1個の人より圧倒的に高い再発になってしまいます。

 また、がんの顔つきが良いものと悪いものとがあり、病理検査で分かります。顔つきが悪いのは、再発率が高い可能性があると言われています。

 ――46歳の女性から「手術後で一番気をつけなければいけないことは何でしょうか」という質問をいただきました。

 中原 病院から注意してくださいと言われたことは、便秘をしないようにということでした。あとは、やはり食生活ですね。偏らないように、今までお肉ばかり食べていたのが、ちゃんとお魚とか、野菜とか、それから規則正しい生活をするとか、そういうことに心がけました。(続く)

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