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基調講演・術後の化学療法、生存率向上…渡辺 聡明さん

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 医療・介護・健康情報サイト「ヨミドクター」開設1周年を記念した大腸がんフォーラムが昨年12月18日、東京都千代田区の日本教育会館一ツ橋ホールで開かれ、約800人が参加しました。帝京大外科教授の渡辺聡明さんが「大腸がん 予防と治療の最前線」と題して基調講演。続くパネルディスカッションでは、愛知県がんセンター中央病院薬物療法部長の室圭さん、九州大消化器・総合外科准教授の掛地吉弘さん、ともに大腸がんを経験した女優の中原ひとみさんとフリーアナウンサーの押阪忍さんが加わり、がんに負けない生き方などについて話し合いました。

■主催 読売新聞東京本社
■後援 厚生労働省、日本医師会、日本癌(がん)治療学会、日本臨床腫瘍学会、全国がん(成人病)センター協議会、特定非営利活動法人キャンサーネットジャパン
■協賛 ヤクルト本社

◇ ◇ ◇

 大腸がんフォーラムの模様は、CS放送「日テレG+(ジータス)」の読売スペシャルでは、2月5日午前11時から放映予定です。

◇ ◇ ◇

 フォーラムの詳しい内容をご紹介します。まず、渡辺聡明さんの基調講演です。

帝京大外科教授:渡辺 聡明(わたなべ・としあき)
 1985年東大医学部卒。同大腫瘍外科助教授などを経て2006年から現職。日本外科学会代議員、日本消化器外科学会評議員など。

 大腸がんは、男女合わせた死亡者数が、肺がん、胃がんに次いで3番目に多いがんです。ただし、女性では、乳がんや子宮がんなど女性特有のがんではなく、大腸がんの死亡者が最も多く、日本人にとって、とても深刻ながんなのです。

 生活習慣の欧米化が背景にあると言われます。ある調査によると、日本生まれでアメリカ育ちの人は、日本生まれで日本育ちの人より、大腸がんになる頻度が高くなりました。どちらも同じ日本人なのに、このような結果になったのは、やはり、食事など生活習慣が影響していると思われます。

 世界保健機関(WHO)は、大腸がんを予防する方法などを報告しています。最も根拠がある方法は、「運動」です。それより、根拠のレベルは下がりますが、食物繊維、ニンニク、カルシウム、牛乳を摂取すると、大腸がんになる危険性を減らすとされます。野菜、果物、ビタミン、魚も良いと言います。

 一方、大腸がんになりやすくするのは、「肥満」です。それから、牛や豚などの赤身肉や加工肉、男性の場合は飲酒です。

 大腸がんが肛門近くにできた場合、便が通りにくくなり、腸閉塞や血便などの症状が出ることがあります。しかし、腸の奥の方にできた場合は症状は出にくいのです。今までなかった下痢や便秘が現れるなど、排便習慣に変化があった場合、ぜひ、精密検査を受けてください。

 また、住民検診で行われる「便潜血検査」を受けることを勧めます。便の中に血液が混じっているか調べる検査です。通常、2回検査を受けますが、いずれも陽性と出た場合

 、精密検査が行われます。精密検査で最も多く行われているのが、内視鏡検査です。肛門から小型カメラを入れて大腸を直接調べます。

 早期がんで見つかれば、おなかを切らずに内視鏡を使って治療できます。少し進んで見つかったならば、おなかを開けて、がんと周辺のリンパ節を取る手術をします。

 抗がん剤を使った治療には3種類あります。①手術ができないほど進行した場合に延命を目的に使う②手術の前に、がんをできるだけ小さくするために使う③手術後、再発を防ぐために抗がん剤を使う(術後補助化学療法)――です。

 5年生存率を調べた研究では、術後補助化学療法を受けた人は74%で、受けなかった人より11ポイントも高いとの結果が出ました。また、従来薬にオキサリプラチン(一般名)を加えた場合、生存率がさらに4ポイント上がることが分かりました。この薬は、世界では、術後補助化学療法の標準薬として、広く使われています。

 大腸がんは長い間、抗がん剤が効きにくいがんと言われました。しかし、オキサリプラチンなどが登場し、大腸がんも薬の効果が期待される時代になりました。(続く)

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