文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

お知らせ・イベント

お知らせ・イベント

質問コーナー・予防に有効な食事は?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック
 

 高橋 ここからは、聴講者の皆様方からいただいた質問を取り上げます。最初の質問は「グレードとステージの違いは何でしょうか」ということです。内田さん、この違いは何ですか。

 内田 ステージ(病期)はしこりの大きさ、リンパ節転移や遠隔転移の有無で示す、病気の「進行度」を表します。0期からⅣ期まであります。グレードとは、顕微鏡検査によってがん細胞や組織を基に判定する「悪性度」の評価です。1から3まであり、3が最も悪性度が高いことを示します。混同する人が多いですね。

「手術後、10年たってから反対側の胸に乳がん…再発か、転移か?」

 高橋 次は、「手術から10年たって、摘出した反対側の胸に乳がんができる。これは再発なのか、転移なのか」というご質問です。

 内田 おそらくこれは再発ではありません。反対側の胸に転移・再発を起こすこともまれにはありますけれども、多くは、また新しくできたがんですね。乳がんは、5年、10年たっても反対側に新しくがんができることがあります。体質的に、片一方に乳がんをやると、先ほどリスクファクターとして挙げましたけれども、反対側も5%ぐらいの人が乳がんになります。

 高橋 わかりました。乳房を再建された方の場合、その再建をした胸の乳がん検査をすることはできるのでしょうか。

 内田 これはやらないほうがいいですね。

 高橋 あ、やらないほうがいいですか。

 内田 特にシリコーンを入れた人はマンモグラフィーをやってはいけません。再建した胸にまたがんができることもありますけれども、なかなかマンモグラフィーではわかりにくいのです。触診や超音波、CT検査が適しています。

 高橋 ああ、そうですか。楢山さんのようにご自分のお体の一部で再建をされたという方もやはり避けたほうがいいんでしょうか。

 

 内田 やってもあまり意味ないですね。 再建した胸に乳がんができるということはほとんどありませんので。

 高橋 そうですか。楢山さん、どうですか。

 楢山 安心いたしました。

 高橋 次のご質問ですけれども、乳がんの再発予防のための食生活なんですけれども、この方、年齢不明なんですが、お嬢さんも乳がんにならないかと心配され、「乳がん予防のための食事のポイントがありましたら教えてください」ということです。食生活での予防方法というのは何かあるんでしょうか。

 内田 大豆製品や緑茶などがよいと言われますが、科学的に根拠はありません。乳がん予防に効果的な食事はありません。まんべんなく数多くの食材を食べることが大切です。また、50歳以上で閉経後は、肥満に気をつけてください。特に50歳以後の閉経以後の乳がんの人は、太っている人のほうが多いので、肥満にならないほうがいいと思います。

 高橋 そうですか。よく、大豆は女性ホルモンの代わりをしてくれるとか、とっても体にいいのでお勧めとよく言われますけれども、いろいろな種類のものをまんべんなく食べるということがやはり……。

 内田 まんべんなく食べるのが、やはり一番ですね。

「切らずに乳がんをなくせるか?」

 

 高橋 肥満は大敵だそうですので、気をつけましょう。それから「切らずに乳がんをなくすことは可能ですか。ラジオ波や超音波を使った治療があると聞きました」と、こういうご質問もあるんですけれども。

 内田 一部の病院では、がん組織に針を刺して熱で焼き固める「ラジオ波凝固療法」、超音波で焼き切る「集束超音波手術」などの治療法を行っています。まだ、治験段階の治療なので、手術と同じ治療効果が得られるかどうかは不明です。切らずに済むといって、いきなり飛びつかないほうが無難だと思います。

 高橋 次の質問です。「閉経女性。乳がんの手術を受けました。ホルモン検査で陽性だったため、ホルモン療法を勧められています。ホルモン治療は何年続けるものなのでしょうか。また、最近では途中で薬を切りかえる治療法もあると聞きました。同じ薬を飲み続けるケースと効果に違いはありますか」。

 内田 ホルモン療法は手術後5年間が勧められています。再発の8割は5年以内に起こります。最近はもっと長く飲むと治癒率が良くなるという意見があり、7年がいいとか、極端な先生は一生飲み続けなさいと言う先生もいます。しかし、副作用を考えると私は5年飲んだら十分かなと考えています。

 閉経後の女性に対し、最近、タモキシフェンからアロマターゼ阻害薬に切り替えるスイッチングとう方法が行われます。治療効果が上がるので勧められていますが、切り替えることで手のこわばりやほてりなど副作用の懸念もあります。

 高橋 51歳の女性の方からの質問です。「これまで2回マンモグラフィー検査を受けました。1回目は少しの痛みでしたが、2回目はたまらない痛みでした。機器のせいか、検査をする方の腕の問題でしょうか。痛くない検査を受ける方法はないものでしょうか」という質問です。

 内田 昔はなるたけお乳を薄くしたほうがきれいに写るということで、ぎゅうぎゅう締めつけて撮影していましたけれども、最近の機械は、胸の圧迫の程度を自動的に判断するのでかなり楽になりました。ただし、生理の前の胸が張っている時は痛みが強くなります。多少の痛みは患者さんには、「痛いのは10分、安心は1年」と我慢してもらっています。

 田中 では、いよいよ時間が迫ってきましたので、最後にこれまで言い足りなかったこと、あるいはいま一度強調していきたいことを一言ずついただきたいと思います。内田さんからお願いできますか。

 内田 繰り返しになりますけれども、乳がんが女性のがんの中で一番多いがんになったので、40歳からマンモグラフィーによる乳がん検診を受けていただきたいと思います。検診だけじゃなくて、できたら月に1回、生理が終わった後に自己検診もされたらより安心だと思います。

 田中 楢山さん、お願いいたします。

 楢山 乳がんは早期発見、早期治療ということですので、私もこれからそれをまじめに守っていきたいと思います。

 田中 ありがとうございました。高橋さんはいかがですか。

 高橋 やはり早期発見、早期治療ということで、個人的にはここ何年も乳がん検診を受けていないので、来年からはきちんきちんと毎年受けるようにしようかなと思います。やはり不安、恐怖はありますけれども、それを乗り越えていく勇気を持ち、一日一日を大事に過ごしていきたいなというふうに感じました。(おわり)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

お知らせ・イベントの一覧を見る

最新記事