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[読み得 医療&介護]後発薬調べ、医療費節約

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 医療費の自己負担を少しでも抑えたい。そんな患者の思いに応えるかのように、割安のジェネリック(後発)医薬品の利用が増えている。医師、薬剤師任せにせず、患者自身も関心を持ってみたい。(内田健司、写真も)

自治体、健保…切り替え差額通知

「負担が少なくなるジェネリック医薬品に切り替えれば、経済的に助かる」と話す鈴木孝雄さん(広島県呉市で)

 「よく流通しているジェネリック医薬品に切り替えた場合の薬のみの軽減可能額は、最も低い場合で200円です」

 広島県呉市に住む鈴木孝雄さん(73)の元に、市役所からこんな内容の封書が届いたのは2008年の夏。動脈(りゅう)などの治療で処方された薬の名前が列挙され、自分で払った薬代の横に、切り替えた場合の軽減額が書き込まれていた。

 「少しでも自己負担が減るならありがたい」と、医師に了解をとり、薬剤師とも相談し、切り替えてもらった。今もジェネリックを服用するが、特に問題と感じることはない。

 呉市が全国に先駆けて、ジェネリックに切り替えた場合の「差額通知」を市民に送り始めたのは08年7月。市が運営する国民健康保険の加入者で、医療機関以外で薬を受け取っている患者の診療報酬明細書(レセプト)を分析し、一番高いジェネリックとの差額を計算した。少なくともこれ以上は薬代が安くなる金額を知らせる、という仕組みだ。抗がん剤、向精神薬は対象外とし、毎月、差額の上位3000人に順次通知している。

 市民へのアンケートでは、通知をきっかけに55%が切り替えを考えたといい、09年度には、8870万円の医療費削減につながった。

 中小企業の従業員らが加入する全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)でも、軽減額を通知している。09年度は40歳以上の約145万人に通知し、1か月で約5億8000万円の医療費が削減された。昨年11月から今月にかけては、月額300円以上軽減可能な35歳以上を対象に通知した。

 協会けんぽや健康保険組合などでは、切り替え希望用カードも配布している。ただ、これらの通知やカードがなくても、医師や薬剤師に相談してみるとよい。

 自分でジェネリックについて調べたい場合、参考になるのが、日本ジェネリック医薬品学会が運営するインターネットサイト「かんじゃさんの薬箱」だ。処方箋に書かれた薬剤名を入力すると、該当するジェネリックが一覧できるほか、自宅近くで、取り扱いのある薬局を探すこともできる。

 ジェネリックへの理解を深めるには、薬局を活用するのも一法だ。呉市の場合、約130ある薬局の薬剤師らが積極的に普及を後押しした。特に力を入れたのが患者へのわかりやすい説明だ。呉市薬剤師会会長で、「オーツカ薬局」経営者の大塚幸三さんは「自分の負担が減るだけでなく、医療費全体も抑制できる。保険料の軽減効果も期待できる」と利点を強調する。

 ただし、厚生労働省が昨年秋に実施した全国調査によると、積極的に取り組む薬局が34・7%ある一方、あまり積極的に取り組んでいない薬局も24%あった。また、薬局に在庫がない場合、薬の用意に時間がかかることもある。

 日本ジェネリック医薬品学会理事長で、国際医療福祉大教授の武藤正樹さんは「ジェネリックがない薬もあるので注意が必要だ。だが、高血圧や糖尿病など、長期間飲み続ける薬ほど経済効果が大きいので、医師や薬剤師に積極的に相談してみてほしい」と呼びかけている。

 ◆自分が服用している薬のジェネリック医薬品の有無や、取り扱っている薬局などが調べられる「かんじゃさんの薬箱」(http://www.generic.gr.jp/

 ◆ジェネリック医薬品に関する様々な取り組み事例や問い合わせ先などをまとめた「協会けんぽ」のホームページ(http://www.kyoukaikenpo.or.jp/10,11866,125.html

ジェネリック医薬品
 先発医薬品の特許が切れた後に販売された薬。有効成分や効果は同等だが、開発費用が安く抑えられるため、先発品に比べて安い。医薬品全体に占める数量割合は、2010年5月時点で22・1%。政府は、その割合を12年度までに30%以上にする目標を掲げている。
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