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「軽い肺気腫」 よくなるか

 病院で「軽い肺気腫」と診断されました。深呼吸しないと肩で息をするような状態が長時間続き、たんも出ます。治療すればよくなりますか。(74歳女性)

早めの治療で進行抑えて

福地 義之助 順天堂大 呼吸器内科客員教授 (東京・御茶ノ水)

 酸素を取り入れ、二酸化炭素を吐き出すには、口から吸い込んだ空気が肺の一番奥にある肺胞というごく小さい袋に到達して血液と接することが必要です。肺気腫は、この肺胞の壁が壊されて血液との出会いが減り、肺の弾力も低下して呼吸がしにくくなる病気です。

 肺気腫の大半は、空気の通り道の細い部分の炎症(慢性気管支炎)も併発するので、肺胞への空気の出入りも悪くなります。現在では、肺気腫と慢性気管支炎をあわせて、慢性閉塞性肺疾患(COPD)と呼びます。

 日本では高齢者を中心に、530万人以上の患者がいると推定されますが、診断されていない人が多数を占めています。

 最初は息切れや、せき、たんが主な症状ですが、進行すると呼吸が極めて困難になり、長期間の酸素吸入が必要になります。肺がん、動脈硬化、骨粗しょう症、心臓血管疾患、うつ病などの危険性も高くなります。

 でも、COPDは治療も予防も可能な疾患です。最大の原因はたばこですので、禁煙が何より大切です。そのうえで、腹式呼吸やすぼめた口での呼吸、定期的な歩行運動などのリハビリテーション、気管支拡張薬の服用などを早期からしっかりと組み合わせると、症状の進行が抑えられます。

 早めに呼吸器内科の専門医を訪ね、治療を始めて下さい。

 また、インフルエンザや肺炎球菌ワクチンの接種や、栄養バランスの取れた食事も、肺の健康を守るのに有効です。

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