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石井苗子の健康術

yomiDr.記事アーカイブ

心の健康ハンドブックの使い方

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(このハンドブックには「日本人口の約2割がうつ状態に陥る」とありますが、と言うことは、8割がそうならないと読むこともできます)


 予防は、悪い所が目で確認できず、その病の深刻さが自覚しにくいほど難しいものです。

 従って、心の健康予防は大変難しいということになります。自分の状態が今どうなっているのか目に見えないうちから予防することの大切さが理解しにくいからです。

 心の健康ハンドブックがたくさん出ていますが、即戦力になっているものが少ないのが問題です。

 内容が茫洋(ぼうよう)としていて、どうやって役立てるか読んだ人が自分で考えなくてはならない。これではハンドブックではありません。ハンドブックはどんな時にでも自分の味方にならなくては意味がないからです。

 最近、東京大学の学生に向けて作成した「心の健康ハンドブック」を読んで、よくできていると思いました。目次だけを読んで自分の生活の軌道修正ができるように書いてあるからです。

 グラフや図形など一切なく、言葉で話しかけるようなスタイルで書かれてあります。○と×で採点する心理テストなどを載せているハンドブックが多い中、わかりやすさで差別化を図ったなと感じました。

 「こころの健康を保つために」「困ったときには」「最後に」の目次の細かい見出しを読むと、今の自分の危険信号はどこにあるか整理がつきます。

 たとえば「うつを防ぐための生活の知恵」「より良い睡眠のための工夫」「アルコールについての正しい知識」と言ったように、何が書かれてあったのか読み返したくなる。そんな構成になっています。

 「困ったときには」の章などは、目次を順番にそのままつなげて読めば予防になっていくような感じです。「やる気が出ないとき、不安が続くとき」は、「まず疲れをためない」。「繰り返す憂鬱(ゆううつ)感は病気の原因かも」と思ったら「不安の解消法をみつけておきましょう」といった風に、カッコ内の目次を読むだけでハッとすることができる。

 内容を覚えてなければ、自然にページを開きたくなる。こんな風に良く出来てはいるのですが、果たして何人が読んだかが問題です。

 8割の人はうつ状態に陥らないだけ読んで、捨ててしまってはいないかと。その8割の人を予防しなければならないから予防はいつも難しいのです。

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石井苗子さん顔87

石井苗子(いしい・みつこ)

誕生日: 1954年2月25日

出身地: 東京都

職業:女優・ヘルスケアカウンセラー

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2件 のコメント

読んでみたいです

すばる星

社会人です。今のところ8割の方に入りますが、日々のストレスへの対処は誰にでも必要なことと痛感しています。 ここにあげられた冊子、とても読んでみた...

社会人です。今のところ8割の方に入りますが、日々のストレスへの対処は誰にでも必要なことと痛感しています。


ここにあげられた冊子、とても読んでみたいです。

作成された方がいらっしゃるようなので、ぜひともお願いします。


東大学内のみで配布されているとのことですが、一般でも拝見できるように公開していただけると嬉しいです。

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お読み頂き有難うございます

ササのじ

その冊子を作成した者です。お褒めにあずかり大変光栄です。この冊子、実は東大学内でしか配布していないのですが、良く入手できたなと感心しております。...

その冊子を作成した者です。お褒めにあずかり大変光栄です。この冊子、実は東大学内でしか配布していないのですが、良く入手できたなと感心しております。



それと、東大の学生向けに書いたものなのですが、他の大学の学生や、社会人にもお役にたちそうでしょうか?

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