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買い物難民600万人…支援本格化
高齢者らが日々の買い物に困る「買い物難民」。経済産業省は今月から、買い物支援の取り組みを後押しする補助事業を始めるが、200件近い応募があり、関心の高さを示している。先進的な事例を盛り込んだマニュアルも公表され、各地で買い物難民対策が本格化しそうだ。
国の補助事業スタート
全国で600万人いるとされる買い物難民の支援は、民間業者や自治体がバラバラに取り組むだけでは予算や継続性に限界がある。そこで国は、民間と自治体、民間同士などの新規の買い物支援事業に対し、費用の3分の2(100万~1億円)の補助を行うことになった。
同省が昨年末に全国10か所で開いた説明会には、約1500人が詰めかけ、各地の商店街や、コンビニ、スーパーなどの流通業者などから約180件の応募があった。全体の予算は約3億円で、近く、審査の結果、補助の対象となる事業や配分が発表される。
茨城県のある町では、宅配会社の協力を得て、第3セクターが経営する物販店の食品などを配達する計画を進めている。「車を運転できず、買い物に苦労するお年寄りが多いため、支援を検討していたが、500万円近くかかる費用の確保に悩んでいた。補助事業の対象となるといいが」と担当者は話す。
一方、大手小売業の担当者は、「社会的な課題になっている買い物難民の問題に取り組むきっかけにしたい。将来的には新たなビジネスチャンスにもなれば」と応募の理由を話す。
さらに、同省では、幅広く地域での買い物支援を促す方策として、全国で実践される20の先進事例や支援のポイントなどを紹介する事例集「買い物弱者応援マニュアル」を作成した。昨年末から、同省のホームページで公開している。
買い物難民を支援する方法を〈1〉身近な場所に店舗を作る〈2〉自宅に商品を届ける〈3〉自宅と店舗を結ぶ送迎手段の確保――に分類し、具体的な事例を紹介。また、効率よく継続的に買い物支援を行うポイントもまとめた=別表=。各方面の意見を聞いた上で、3月にマニュアルの改訂版を出す予定。
また、各地の実践事例を紹介するセミナーも今月から来月にかけ、東京、仙台、福岡で開催。各地での取り組み拡大の呼び水にしたい考えだ。
買い物支援の工夫の例 (経産省のマニュアルより) |
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・店舗まで徒歩で買い物できる半径500メートルの円を描き、空白地区で移動販売を実施 ・大都市中心部などの買い物が不便な地域では、小さな店舗で家賃を抑え、小分けした生鮮品をそろえて休日や夜間も営業 ・団地の共用部分や空き店舗を利用し、住民組織などが食料品などを販売 ・店舗への送迎バスを、病院や役所に行くときも利用できるよう開放 ・高齢者の生活支援や見守りなど他の行政施策を買い物支援にも活用する |
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明日からできる買い物難民対策
ま~ちゃん
私達は、物品を購入する店舗を商品の価格だけで決めているような気がします。 しかし、皆がこのような買い物行動パターンで生活すると、遠くの大型店舗...
私達は、物品を購入する店舗を商品の価格だけで決めているような気がします。 しかし、皆がこのような買い物行動パターンで生活すると、遠くの大型店舗ばかりを利用し、近くの店舗を廃業に追い込むことにならないでしょうか。
当面は不便を感じないのかもしれませんが、身体機能が低下して活動範囲が小さくなると「買い物難民」を実感することになるのでしょう。
買い物難民対策としては、移動販売や送迎バスによる利便性向上策も行われていますが、これらは店舗側の事情が優先されるため購買者の不便感は残るでしょう。また、コスト等の面から取りやめとなる可能性は避けられないと思います。
国や自治体も支援策を講じ始めていますが、民間の経済活動にかかわることであるためその対応には限界があると思います。
一部の地域では、住民組織が近隣に店舗を開く等の取組みを始めていますが、これを成功させるためには地元の方々の不断の努力が必要になるでしょう。
現在、買い物難民になっていない人こそ、徒歩圏にある店舗を残すための買い物行動パターンを考えるべきではないでしょうか。
後悔しないために!
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