医療ルネサンス
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医療ルネサンス
がん共生時代 私の物語(1) 俳優 ・ 菅原文太さん (上)
がん治療の後、菅原さんは農園を開いた。有機無農薬に取り組む(山梨県北杜市で)=栗原怜里撮影
膀胱温存願い第二の意見
「ほら、きれいだろう。うまそうだ」
サラダ用の若葉を摘み、無造作に口に入れた。昨年11月下旬の穏やかな1日。手に取った鮮やかな緑を眺める目元が優しく緩む。
「仁義なき戦い」「トラック野郎」などの映画で主演を務め、数々の賞に輝いた俳優の菅原文太さん(77)。現在、山梨県北西部の北杜市に2009年10月に作った農園と、東京の自宅を行き来する生活を送っている。
南に富士山、北に八ヶ岳、西に甲斐駒ヶ岳を望む絶景の地に、農園はある。
「空気がきれいで、水がきれいなところで労働をしたら、たいがいの病気は治るよ。そう思わないか」
そう話す菅原さんは、07年に人生初めての大病を患った。膀胱がんだった。
最初の自覚症状は、新幹線のトイレで、小便の途中で便器に落ちた血の固まり。すぐに友人の泌尿器科医に診てもらった。尿道からカメラが付いた管を入れ、膀胱内を見る内視鏡検査を受けたところ、粘膜の一部が赤くただれていた。良くない兆候だった。
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