田沼敦子の「かむかむクッキング」
健康・ダイエット・エクササイズ
鶏のからあげと野菜の甘酢あえ
よく噛んで、健康な歯に! 身近な食材と簡単調理法で噛みごたえをアップさせる方法をご紹介する「かむかむクッキング」。今回は、鶏のからあげを使ってアレンジしました。
3週にわたり、食卓をまるごと、よく噛むメニューをご提案します。高齢者や口内トラブルをお持ちの方のため、からあげを食べやすくする方法も一緒にご紹介。同じ食材が、ひと手間でがらりと違う料理になります。
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「噛む」効用はたくさんあります。子供の場合、正しく噛むことであごの骨が発達し、歯並びがよくなったり、噛むと唾液がたくさん分泌されるので、むし歯の予防にもなります。また、脳が刺激され、よく働くとも言われています。
硬いだけではなく、噛み砕けにくく弾力性のあるものを選べば自然に噛む回数も増えます。例えば同じ肉でも、種類や部位によって硬さは大きく異なりますし、加熱すれば肉の成分のたんぱく質が硬くなり、歯ごたえがしっかりします。食材選びも大切ですが、調理法にも工夫が大切です。
鶏肉の弾力感と噛みごたえが異なるものを
今回取り上げるのは、子供から大人まで人気の鶏のからあげ。油であげることで水分がぬけ、鶏肉に弾力が増すので、これだけでも十分噛みごたえがありますが、生野菜をプラスすることでさらにアップします。
甘酢であえ、からあげと生野菜を同時に食べて噛む回数を増やすようにしてみましょう。シャキシャキした噛みごたえの生野菜は、火を通した野菜よりも噛む回数が断然多くなります。
噛む回数を増やすコツは、噛みごたえの異なるものを合わせること。色々な硬さのものを一緒に噛むことで、自然によく噛むようになります。
作り方
(1) 鶏もも肉は一口大に切り、塩・しょうが汁・酒で下味をつけ、小麦粉をまぶす。クレソンは適当な大きさにちぎる。パプリカは細切り。紫たまねぎは薄切りにして水にさらし、水気を切る。
(2) サラダ油を中温に熱し、鶏肉をカラリと揚げる。
(3) 甘酢の材料を鍋に入れてひと煮立ちさせて火を止め、冷ましておく。この中にからあげ、野菜を加え、よく混ぜて器に盛る。
調理指導■田沼 敦子
高浜デンタルクリニック(千葉市)院長。歯科医のかたわら、料理研究家、エッセイストとしても活躍中。ご主人は写真家で文化功労者の田沼武能氏。著者に「噛むかむクッキング」(クインテッセンス出版)など。
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※ 歯と歯みがきを科学するデンタルマガジン「朝昼晩」(日本歯科医師会)の20号=2007年7月発行=から転載いたしました。
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