文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

有料会員限定 不眠・過眠のお悩み

イベント・フォーラム

講演(6) 昼間の眠気にひそむ病気

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

ナルコレプシー

 頻度が少ない病気ですが、ナルコレプシーは急に睡魔が襲ってきます。私がナルコレプシーだとすると、こうしてしゃべっていても皆さんを目の前にして5分くらいでストンと寝てしまいます。ナルコレプシーの診断は急な脱力感です。笑ったり泣いたりすると、急に力が抜ける。

 それから入眠時幻覚といって、夢ではなくて金縛りに近い感じで幻聴のようなものを聞いたり、ぱっと寝ようと思うと眠れなかったり、体が動かなかったり、そんな症状がいくつか重なった特殊な病気です。

 この場合は、血液検査などでだいたい9割ぐらいはわかります。遺伝の問題があり、遺伝子情報が血液で分かるので、あとは脳波をとると特徴的な脳波の所見が出てきます。それで大体診断ができます。

 そういう方は、例えばここで寝たとすると、もう叩いても何しても起きません。そのぐらい深い睡眠に入ります。それに対しては特殊な薬があり、少し覚醒をさせます。覚せい剤というと法律に触れますが、合法的な覚せい剤を使うことがあります。

睡眠時無呼吸症候群

 日中の眠気に関係して頻度が多いのが睡眠時無呼吸症候群。肥満のためにのどや鼻が圧迫される。

 男性だけじゃなく女性も、いびきがやけに大きくて、隣に寝ている家族が気づくわけです。その時によく見てみると息が止まっているんです。1分くらい。その後、すっと息を吹き返します。

 本人はなかなか自覚できません。本人が自覚するのは昼間の眠気です。夜に寝ているはずなのに、やけに昼間眠いなと。ご家族で一緒に寝ている人がいたら聞いてみてください。「自分は最近いびきうるさくないか」とか、「寝ているときに息が変じゃないか」とか。

 そういう場合、心療内科や睡眠クリニック、耳鼻科、呼吸器内科で、場合によっては一泊入院して夜間の睡眠中の脈とか呼吸数、脳波をとって、無呼吸の頻度を調べていきます。それである値以上だと病気と位置づけます。

 治療としては、マスクみたいなものをして人工的に鼻腔から空気を入れて無呼吸にさせるのを防ぎます。その装置をつけると寝苦しいって言う人もいますので、生活習慣病の人は運動やダイエット、食事に気をつけたりすることで改善する場合もありますし、マウスピースみたいのをして呼吸を楽にするといった方法もあります。

 難病ではありませんが、国内の電車事故でオーバーランした時に、運転手が無呼吸症候群だったことが話題になりました。日本の民間企業のパイロットもチェックが入ります。機長は年に2回受けなきゃならない。身体検査と脳波をとり、精神科医がメンタル的な問題はないか、うつ病はないかとか診断します。夜間無呼吸症候群の可能性もみます。かなり強い眠気を日中起こすので、危ないからです。もしそういう病気とわかったら、治るまではフライト禁止になります。

講師 河村哲・風メンタルクリニック池袋院長
順天堂大学医学部卒業、同大学院修了。医学博士・精神科医専門医・精神保健指定医。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学留学後、順天堂大医学部精神医学教室講師、外来医長、病棟医長・医局長等を経て現職。企業における心の健康、老年期認知症疾患、更年期の精神疾患、睡眠障害など精神医療全般にわたって活動している。風メンタルクリニック池袋のホームページはこちら
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

イベント・フォーラムの一覧を見る

有料会員限定 不眠・過眠のお悩み

最新記事