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講演(2) 眠れない理由

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自然な眠りが損なわれた

 人間は朝、自然に目が覚めて、夜に眠くなります。体内時計の中枢は脳の松果体にあります。朝、目から太陽の光を浴びると、松果体にあるメラトニンが大体14~15時間後ぐらいに働き出すようにスイッチが入ります。14~15時間後というと、夜の8時、9時、10時になります。そのころになるとメラトニンが出てくるために自然に眠くなり、また寝ます。光によって体のリズムができていきます。

 不眠という眠れない不安が、いつ始まったかというのは難しい問題です。少なくとも、電気がない江戸時代に、不眠の悩みがあったかどうか。当時、普通の暮らしをしている人は、たぶん日が暮れるともう囲炉裏だけになり、それでもう寝て、また太陽を浴びる時間になると起きる。

 今でも田舎にいくと、朝ごはんの時間が早いですね。5時とか、6時くらいです。だから夜寝るのも10時くらい。

 でも、東京は24時間の不夜城です。その中で私たちのリズムは変わります。現代社会は便利です。小学生でも不眠症は始まっていますが、昔にはありえなかったことです。普通なら家で食事する時間に塾に行って、夜10時くらいに帰ってきて夕食を食べる。便利さの中で、人間の生理現象である自然な眠りが損なわれてきています。

治療が必要な入眠障害は?

 それでは、どうなったら、どういう専門家に相談したらいいのか。

 たとえば悩み事や少し気になることがあって眠れない。一晩や二晩なら程度ならいいのです。人間は3日か4日眠らないと、もたないから、絶対に寝てしまいます。

 そうではなく、1週間とか2週間、まったく寝ないわけではないが、眠りの何かがおかしいと思った場合。いろんな分類の仕方があります。

 例えば、寝入りばなが悪くて、寝ようと思ったらいろんなこと、今日あった家のこと、会社であったこと、それから誰かに言われた言葉、いろんなことを考えて眠れなくなる。大体、嫌なことが多いです。

 楽しいことを考える場合、一日くらいはいいのですが、楽しいことを毎日考えて一週間以上、2時間の睡眠が続く場合は、そう病です。そう状態の方は本当に1、2時間の睡眠でも大丈夫だと言うのですが、一生はもちません。2か月でダウンして破綻します。すると、 うつになって、私たちのところに来ます。

 うれしいことがあって眠れないと言っても、2日くらいなら普通です。

 悩み事があって眠りが変だなと思っても、一週間ぐらいで普通に戻れば問題ないでしょう。入眠障害で寝つきが悪いのは、日常の出来事の中で心配事とか大事なイベント、例えば遠足とか修学旅行とか、なんか嬉しくて寝つきが悪いとか、これらは健康的な意味での入眠障害です。治療が必要な入眠障害の場合は、目安として2~3週間、そういう状態が続く場合です。

講師 河村哲・風メンタルクリニック池袋院長
順天堂大学医学部卒業、同大学院修了。医学博士・精神科医専門医・精神保健指定医。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学留学後、順天堂大医学部精神医学教室講師、外来医長、病棟医長・医局長等を経て現職。企業における心の健康、老年期認知症疾患、更年期の精神疾患、睡眠障害など精神医療全般にわたって活動している。風メンタルクリニック池袋のホームページはこちら
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