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日野原重明の100歳からの人生

介護・シニア

健康の秘訣は… 食事、肺炎予防、うつぶせ寝

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 私は去る10月4日には満99歳の誕生日を多くの友人や、私が世話した患者さん、教え子から祝っていただいたが、私がバラの花が好きだと言う噂が流れているようで、たくさんのバラの花をもらい、中には99本の深紅のバラ一束を下さった夫人がある。あるいは私がコスモスも好きだと知って、かわいいピンクのコスモスを届けて下さった女性もある。

 ところで、私は医学関係の学会の講演会以外に、一般市民のために1年に150回以上の講演を頼まれている。聴衆の多くは、100歳を間近にした私がなぜこんなに大きな声で、1~2時間も立ったまま、水一杯飲まないで話し続けられるか、その秘訣を知りたいという人が圧倒的に多いのである。

 「ヨミドクター」のこの欄に私の出番が与えられたことで、私が応援しているジャイアンツで言えば、小笠原選手のように、この2回目の出番でヒットを打つような発言をしたいと思う。

食事… 30歳の体重と腹囲維持、増加は1割程度に

 皆さんに申したい一番大切なことは食事である。30歳の時の体重と腹囲に比べて、私の場合、身長は168cm から160cm になったが、体重は30歳当時の60㎏ より僅か2㎏ 多い程度、腹囲は85cm と、これも数㎝ 増えている状態にとどまっている。

 めいめいが30歳の頃の体重と腹囲を維持し、その1割程度の増加に止まっているのが理想的である。私の今の身長から100引いた値、160-100= 60㎏ より10%以上、体重を増さなければよいのである。もしそれ以上の肥満であれば、運動して1日4㎞ 歩くとか、駅の階段はなるべく歩いて上下し、できれば2階へのエスカレーターには乗らないで歩いてほしい。

肺炎予防… 上手な呼吸法、マスターを

 長生きするのにもう一つ大切な事は、肺機能をよくし、誤飲や感染症による肺炎を予防することである。年配者の死因で一番多いのは、肺炎である。日本人の間で一番多いのは肺がんであるが、まず煙草を吸わないことと、定期健診を年1回受け、疑わしい場合は、専門医による診察と治療を受けるべきである。

 肺機能をよくするには、上手な呼吸法を、日常生活を通してマスターすること。これは丹田式呼吸、座禅の呼吸、ヨガの呼吸などであるが、私は建物の中や駅のエスカレーターを用いず、階段を急ぎ足で、一段一段を、吐いて、吐いて、吐いてと3連続で吐息して、あと一息吸気し、それを繰り返して、階段を上っている。

 これは「長時間の排気後に短時間吸気の発声法」における呼吸法にも通じる。この発声法式呼吸では、声の通りがよく歯切れのよい声が遠くにまで響き、声が若いというイメージを聴衆に与えている。

うつぶせ寝… 腹式呼吸で胃腸の運動円滑に

 もう一つ大切な事は腹臥位(ふくがい)で睡眠をとる。いわゆるうつぶせ寝である。一般の脊椎動物がすべてとっている腹臥位での睡眠である。これにより横隔膜を運動させる腹式呼吸が夜間の睡眠中に繰り返され、胃腸の運動も円滑に行われ、排尿も良くなる。まず、おへそのあたりに幅広い枕を置き、その上にうつぶせ寝をするが、できれば薄い羽毛の枕を二重か三重にたたみ、頭は15%くらい右か左に向かせ、右か左の耳と側頭部に枕が当たるようにし、おなかは真下に向け、両足は少し曲げて休む。

 この位置で私の場合2分くらいで深い睡眠に入り、排尿のため夜中に目覚めても、この位置で伏して、両手を少し曲げて上に挙げる位置をとると、実にリラックスして熟睡ができ、夜更かししても4~5時間の睡眠で十分量の睡眠が取れる。

 以上、私の健康の秘訣の一部を皆にお知らせした。日野原式枕については聖路加国際病院地下の売店(03-3542-9746)に問い合わせ下さい。

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日野原重明ブログ_顔120_120

日野原重明(ひのはら・しげあき)

誕生日:
1911年10月4日
聖路加国際病院名誉院長
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