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基調講演(2) 生活習慣の改善で予防

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脳卒中予防十か条 (日本脳卒中協会)
手始めに 高血圧から 治しましょう
糖尿病 放っておいたら 悔い残る
不整脈 見つかり次第 すぐ受診
予防には タバコを止める 意志を持て
アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒
高すぎる コレステロールも 見逃すな
お食事の 塩分・脂肪 控えめに
体力に 合った運動 続けよう
万病の 引き金になる 太りすぎ
10 脳卒中 起きたらすぐに 病院へ

 

 脳卒中はある日突然、発症する病気ですが、それにはいろいろな危険因子が関連しています。塩分のとり過ぎ、お酒の飲み過ぎ、たばこ、運動不足、こういったよくない生活習慣が、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった病気を引き起こし、その結果として、脳卒中が起こるのです。

 若い段階から生活習慣に注意することによって、脳卒中は確実に予防できます。予防できることが脳卒中の非常に重要なポイントです。

 脳卒中協会は、脳卒中の患者さんを支援し、脳卒中の予防等について啓発活動を行う団体です。私は東京都の支部長を務めています。脳卒中協会では、「脳卒中予防十か条」を作成し、脳卒中予防の啓発活動を続けています。

 第一は「手始めに 高血圧から 治しましょう」です。脳卒中で何が一番大事かというと、間違いなく高血圧の改善です。高血圧は、日本人に非常に多いですし、高血圧の治療は進んできていますが、必ずしもその治療は十分ではないと言えます。
特に朝の血圧が大事です。人間は、朝起きて1時間以内ぐらいの血圧が一番高いと言われています。だから、脳卒中は、朝起きてから午前中に起こることが多いです。

 血圧を下げてさえいれば、脳卒中の死亡率も発症率も3割から4割減るということは、いろいろな研究で報告されています。

 大事なことは、家庭で毎日、測定することです。特に血圧が高いと言われている方は、ぜひ血圧計を買い、起床後1時間以内、朝食の前、薬を飲む前に測ってください。時間がある方は、夜寝る前にも測ってみてください。そうすると、朝の血圧の値と夜の血圧の値の違いがわかります。

 目標値は、診察室で測る血圧は、上が140未満、下が90未満、家庭血圧の場合は、ここから5を引いた値、つまり上が135未満、下が85未満を基準にしてください。

 次は糖尿病です。糖尿病は脳出血の危険度は高めませんが、脳梗塞の危険度は高まります。糖尿病ではない方に比べて、大体2倍から3倍くらい、脳卒中を起こしやすいといわれています。

 不整脈では心房細動が一番問題です。男性の場合、心房細動がない方に比べて、ある方は、脳梗塞が4・7倍、特に脳塞栓症という重い脳梗塞は17・5倍起こしやすいといわれています。心房細動があっても、全然自覚症状がない方がいます。ぜひ健康診断で検査を受けてください。 

 中には、時々、心房細動になって、すぐに正常になるという方がいます。健診のときには心電図が正常だが、時々、1日の中で1時間とか2時間ぐらい心房細動が出て、パッとまた戻る。発作性心房細動と言いますが、そういう時々なる方も血栓ができることが多いと言われています。

 たばこを1日20本以上吸っている方は、非喫煙者に比べ、やはり2倍から4倍くらい脳卒中の死亡率が高くなります。今、禁煙の治療が非常に進んできました。禁煙外来をやっている病院に行くと、保険で禁煙の治療が受けられます。ぜひこの機会に、たばこを吸っている方はやめてください。

 アルコールは私も嫌いな方ではないのですが、飲み過ぎると、脳卒中になりやすくなります。もともとあまり血圧が高くない方は、お酒の量が増えてもあんまり変わりないのですが、もともと高血圧の方は、1・5合以上毎日飲むと、脳出血の発症率が高くなってくると言われています。

 それに対して、不思議ですが、脳梗塞のほうは、お酒を全く飲まない人よりも、1・5合未満だったら、毎日飲んでいる人のほうが少ない。脳梗塞だけではなくて、心筋梗塞でもこういうデータがあります。毎日少しずつ飲むというのは、むしろ健康にいいという説もあるぐらいです。

 次がコレステロールです。いわゆる悪玉と言われるLDLコレステロールが多いと、脳梗塞の発症率が高くなっていくということは間違いなさそうです。一方、善玉といわれるHDLコレステロールは、高い人ほど脳梗塞の発症率は下がります。

 脂質には、中性脂肪とコレステロールがあって、中性脂肪は今まで、動脈硬化と関係が少ないとも言われていましたが、一つはっきりしていることは、中性脂肪が高いと、HDLコレステロールが少なくなってしまうことです。

 生活習慣の基本は、やはり食事です。食事で問題になるのは、塩分と脂肪です。食塩の摂取量が多くなればなるほど、脳卒中による死亡率が高くなります。塩分が多くなると、血圧が上がり、脳卒中が増えるのです。

 もう一つの脂質ですが、日本人のコレステロール値が高くなってきたのは、脂肪の摂取率が高くなってきたからです。時代とともに、脂質の摂取率がずっと増えてきました。特に動物性の脂質摂取量の増加は、脳梗塞の増加と関係しています。

 運動不足も問題です。毎日30分ぐらい速足で歩くと、血圧を下げる効果がありますし、糖尿病のある方はもちろん運動が勧められます。これはインスリンという血糖値を下げるホルモンの効きがよくなるからです。

 太り過ぎも問題です。最近注目されているのは、同じ肥満でも、脂肪がどこにたまるかによって、生活習慣病を引き起こす危険度が異なることです。メタボリックシンドロームという言葉を聞かれたことがあると思いますが、これは内臓に脂肪がたまった状態です。内臓にたまった脂肪は動脈硬化を進めるいろいろな悪さをすることが、最近の研究でわかってきました。

 十か条の最後は、「脳卒中 起きたらすぐに 病院へ」です。これらの十か条を守って、ぜひ脳卒中を防いでください。

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