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石井苗子の健康術

yomiDr.記事アーカイブ

冷や飯を食べると脂肪が燃える

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(江戸時代はご飯と呼ぶのは「朝ご飯」だけだったそうです。“だから体脂肪が少なかった”)


 「冷や飯を食う」とは、冷遇されるという意味なのに、健康にいいというのです。2004年に科学雑誌ネーチャーにも載りましたが、正確には、冷や飯を食べれば健康になるというのではなくて、温かいご飯が冷えて「冷や飯」になるとでんぷんの状態が変化し、消化しやすいでんぷんから「難消化性でんぷん」という消化しにくいものに変わり、そのでんぷんの腸内での働きによって脂肪がよく燃えるという研究です。

 日本人は昔、温かい米は朝しか食べなかったそうで、江戸時代でもご飯というのは「朝ごはん」だけ、昼は「昼めし」と言って冷えた残りを食べ、夜になるとそのまた残りをお茶漬けにして食べ、これも「夜めし」と呼んでいた(真夏はどうしていたんでしょうね、冷蔵庫はなかったと思うのですが)。

 ともあれ、こうして「冷や飯」を食べていたから日本人は体脂肪が少なかったという話は、私も健康雑誌で読んだことがあります。現代の日本人を対象にした難消化性でんぷん質の入った朝ご飯を食べさせたグル―プと、そうでないグル―プに分けた研究でも、前者の方が脂肪がよく燃えていたことが確認されています。

 難消化性でんぷんの特徴は、胃で消化されにくく小腸で吸収されずに大腸まで届くことです。いわば食物繊維のように働くでんぷんで、これが腸内細菌に分解されて、腸を守る「酪酸」とか、脂肪を優先的に燃やす「プロピオン酸」になる。

 しかしそうなると、そもそも腸内細菌が健在かどうか、が問題になります。自分にどのくらい腸内細菌があるか正確に調べる方法を私は知りませんが、あるのでしょうか。年齢とともに少なくなっていくことは知っています。

 私はもう整腸剤をいつも飲んでないとお腹の調子が悪くて、冷たいおにぎりを食べると胃もたれが激しくてたまりません。お腹は冷やすなと医師に注意され、家では腹巻きをつけているぐらいなので、冷や飯ではなくて温かいおかゆを食べてた方がよいのではないかとすら思ってしまいます。体脂肪は他の方法で燃やした方が自分の場合は健康にいいのではないかというのが結論。

 腸内細菌や脂肪の燃え方には個人差があるのでしょう。こう言ってしまったらすべてのことに個人差があって、冷や飯を食べていた江戸時代にも太った人はいたかもしれないになってしまいますが、若い人は冷たいご飯を食べた方がいいのかもしれません。もちろん食べる量によっても違うでしょう。

 ちなみに、知人の男性は冷たいコンビニおにぎりが大好きですが、残念ながら太ってます。個人差がありますから、くれぐれも御注意を。

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石井苗子さん顔87

石井苗子(いしい・みつこ)

誕生日: 1954年2月25日

出身地: 東京都

職業:女優・ヘルスケアカウンセラー

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1件 のコメント

冷めたごはん

ぴか

私も朝御飯で残ったご飯をお昼に食べます。 1人で居る時はそのまま冷えたご飯をたべます。 きもち甘い気がします。 朝の炊きたてほかほかも美味しいで...

私も朝御飯で残ったご飯をお昼に食べます。

1人で居る時はそのまま冷えたご飯をたべます。

きもち甘い気がします。



朝の炊きたてほかほかも美味しいですが、冷めたご飯は噛む回数が増える気がします。



他の雑誌とかで冷めたご飯は美味しさが増すと言うのを見たことがあります。

ちょっと自信を持ちます。



色々為に成ります。ありがとうございます。

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