文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

こころ元気塾

ニュース・解説

野田聖子さんインタビュー全文(2)国会議員だからこそ、治療に踏み切った

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 ――週刊誌に発表した手記では、日本では、こういう治療(卵子提供による体外受精)は「アンダーグラウンドにもぐっている」と書いていますね。

 野田 やってもいいはずです。法律で禁止されていないから。でも、日本産科婦人科学会が認めてくれない。根津先生(根津八紘・諏訪マタニティークリニック院長。卵子提供による体外受精を行ったことで学会を除名され、後に復帰)のように、いじわるされたりとか、日本の先生にやれる技術や意欲があっても、私がやると先生に迷惑がかかるから、頼めない。へんな国ですよね。やってもいいのに。

 ――学会が認めていないことを、国会議員という立場で受けることに、ためらいはなかったですか。

 野田 学会は民間団体です。私は立法府で判断する人間ですから、立法されていないことには縛られない。ただ、(卵子提供による体外受精は)立法しなければいけない事態だと思っていたので、それを知ってもらうためには、自ら人体実験しなければだめだなと思いました。夫の妻としての私と、国会議員としてチャレンジする公私の立場がたまたま合致したんですね。

 ――国会議員という立場は、むしろそういう気持ちを強める方向に働いたわけですか。

 野田 それはあります。ただ、公表しなければならない。そうすると家族、特に夫が犠牲を払うことになります。まあ、私と結婚したことで覚悟はしていたみたいですが。

 向井さんが裁判やったとき(※注 タレントの向井亜紀さんが米国で代理出産によって子供をもうけた後、国内で出生届が受理されず、受理を求めて裁判を起こしたものの敗訴)、なんで負けたかというと、法律がないから負けたわけで、彼女が悪いことをやっているから負けたわけではない。

 でも裁判に負けると、悪いことをしたイメージが残ってしまう。法律をつくるのは立法府の責任なのに、その責任を果たしていないために彼女が負けたことは看過できなかった。むしろ、医学的には、(遺伝的につながりのある)彼女の子供のほうが実子なのに、実子じゃない私の子供が実子になってしまうという法律の矛盾を明らかにするには、私が治療を受ける側に来ないと、一般の人はわからないだろうと思いました。

 彼女の名誉や、裁判で負けたことが悪いことではないことを立証していくうえで、たまたま自分が治療の対象になれるのなら、これこそ国会活動だと思いました。命をかける仕事かなと思います。

 ――卵子提供による体外受精は養子縁組よりハードルが低い、と言われましたが、全然知らない人から卵子をもらうことをどのように感じましたか。

 野田 卵子を提供してくれた人に感謝しています。産み、育てることができる、母になる機会を与えてもらえることはすばらしいことだと思います。それも、(遺伝的なつながりのある)夫の子供を育てるわけですから。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

こころ元気塾の一覧を見る

最新記事