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いきいき快適生活

介護・シニア

[認知症と向き合う](7)体の不調、チームで見抜く

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 口の中に傷があると、痛みや不快感にイライラさせられ、何とか原因を突き止めて、状況を改善しようとするでしょう。でも、認知症になると、体の不調をうまく調整できず、不調を感じる原因についてもうまく説明できないことがあります。

 認知症の人は、イライラした気分を訴えるのに、大きな声を出すかもしれません。もしもご家族が、口の中に傷があることに気付かなかったら、ただただ、途方にくれてしまうでしょう。

 私は、診療を通してこういう方々をたくさん診てきました。不快感や苦痛の原因は様々で、便秘、下痢、かゆみ、風邪、薬の副作用、足の化膿(かのう)、がんによるだるさ、転倒時の頭の中での出血など。不快に感じる原因として、体の不調がいかに多いかについて、改めて実感させられました。

 ご家族などと接して思うのは、体のことは、みな医者任せではいけない、ということです。ケアの専門職だけに頼っていても駄目でしょう。ご本人の体の状態に対して、ご家族、ケアの専門職、薬剤師、看護師、医師など各方面からの目が注がれることで、ご本人の不調や病気という伏兵を見抜くチャンスが得られるのです。

 「チームでケアをする」という意識がみんなにあり、その一員でもあるご家族が他のメンバーに気軽に相談できるようになれば、本当に心強いことだと思います。「おやっ」と思った時はぜひ、躊躇(ちゅうちょ)せずに周囲の専門職に相談してみてください。きっと一緒に考えてもらえると思います。

 一緒に考える機会を与えられることで、チームが機能します。大勢の知恵を得ることが、よりよい未来を切り開く大切な一歩となるのです。(木之下徹、「こだまクリニック」院長)

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