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心電図 「STが1mm以下の低下」

 健康診断の心電図検査で「STが1mm以下の低下」と診断されました。何かの病気の兆候でしょうか。普段何か気を付けることはありますか。(47歳女性)

症状なければまず安心

山下武志 心臓血管研究所研究本部長(循環器内科)(東京都港区)

 心電図では、心臓の電気的な活動が記録されます。そこに表れる波は大きく分けると、P波、PQ部分、QRS波、ST部分、T波の五つ。ST部分は心電図の基本の線(基線)に一致するのが正常ですが、それより低いことをST低下と呼びます。低下の度合いは1mmを境に分け、1mm以下は「軽度の低下」とします。

 ST低下は、心臓病が全くない健康な方でも見られ、一般的に健康診断受診者の約4%がこのように診断されます。特に女性や高齢者に多く見られます。過度の心配は不要です。

 ただ、心臓の血液循環が不十分なことを示している可能性もあり、狭心症などの虚血性心疾患に特徴的な心電図所見であることも事実です。このような心臓病に関連する異常の有無を把握することが大切です。

 一概に言えませんが、日頃、息切れや胸の痛みなどの自覚症状がなく、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病もなければ、心臓病の可能性は極めて低いと考えてよいでしょう。

 逆にこれらに当てはまれば、循環器内科で精密検査を受けた方がよいでしょう。心臓超音波検査、運動負荷心電図検査などで、心臓病の有無を調べます。虚血性心疾患、高血圧の管理不良、心臓の肥大などが分かることもあります。異常がなければ、日常生活上の心配は全くありません。

 一方、ST上昇は2mm以上で異常ですが、急性心筋梗塞(こうそく)など重い病気でなるので、健康診断では見つかることはまずありません。

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