元プロレスラー アントニオ猪木さん(67)
一病息災
[元プロレスラー アントニオ猪木さん]糖尿病(2)トレーニングで血糖値改善
若い頃から体を作るために、「食べることが仕事」とばかりに、人の何倍も食べてきた。
一度の食事で、ラーメン丼で10杯以上のごはん、焼き肉を2キロ平らげるくらいは当たり前。「日本酒の一升瓶のラッパ飲みなども時々やった。暴飲暴食という言葉では、言い表せないほどだよ」。接待の席の食事も残してはいけないという思いが常にあり、途方もない量を律義に食べ続けた。
糖尿病で緊急入院したのは、ボクシングヘビー級世界王者モハメド・アリとの対戦から6年後、39歳の時だ。入院中は、1日1800キロ・カロリーの食事制限を守り、階段の上り下りのほか、病室にダンベルを持ち込んでトレーニングを続け、血糖値の改善に取り組んだ。
「薬やインスリンを使ってリングに立つのは、自分の美学に反する気がした」
血糖値はうまく下がり、初めはインスリンが必要と考えていた医師も薬なしの治療を認めてくれた。
3週間で退院したが、腹が減って仕方がない。重宝したのはキャベツ。刻んでソースをかけて食べ、空腹を満たした。体がだるく、血糖値が高めの時は、氷を入れた冷水風呂に飛び込んだ。「あれは、医師に厳禁されたね」
よいと思った方法を模索し、血糖値は110~120前後に落ち着いてきた。だが、体力の衰えとともに、限界が見えてきた。
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