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講演(1)食べ過ぎないことが若さの秘けつ

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 医療・健康サイト「ヨミドクター」の有料登録会員を対象にした慶応大眼科教授の坪田一男さんによる特別セミナー「老眼をあきらめない」が9月15日、東京都千代田区で開かれました。ヨミドクターでブログを書いている坪田さんは、老眼を手術で治す方法や、抗加齢(アンチエイジング)のための運動や食事方法について講演。約40人の参加者は真剣な表情でメモを取っていました。講演の中から、アンチエイジングの内容を紹介します。

坪田一男さん
慶応大眼科教授。南青山アイクリニック、みなとみらいアイクリニック顧問


メタボは老化を進める

講演をする坪田一男さん

 アンチエイジングを実現するための方法には、2つの仮説があります。1つは、摂取するカロリーを減らすことによって健康長寿をはかる「カロリー制限仮説」。もう一つは、「老化の原因は身体が酸化すること」として、酸化ストレスをコントロールする「酸化ストレス除去仮説」です。

 「このきのこを食べると長生きする」と言って売り込みを図る業者がいますが、この2つの仮説に照らし合わせてみたら、ちょっと怪しいと思いますね。「なぜ、それによって健康になるの?」と疑問に思い、そのメカニズムをしっかり理解しないといけないと思います。今日は、この2つの仮説を覚えてほしいと思います。

 まずは、「カロリー制限仮説」です。厚生労働省が今、「メタボリックシンドローム撲滅」と言っていますよね。太ると、年をとるのを進めてしまいます。糖尿病になると、さらに老化を進めてしまうのです。

 それを防ぐためには、カロリー制限をする必要があります。カロリー制限の方法は勉強する必要があります。そのために、カロリスジャパン(ホームページhttp://www.crs-j.jp/)という組織があります。アンチエイジングを実践する会です。

十六穀米やこんにゃく米を

会場には約40人が集まった

 単にカロリーだけを抑えていてもダメで、適切な栄養をとることが重要です。食べた時にどれくらい血糖値があがるかというファクターである「GI値(グリセミック指数)」というのがあります。

 例えば、おつまみの柿の種。おせんべいとピーナツ、どちらが健康に良いと思いますか。正解はピーナツです。どうしてかというとGI値が低いのです。血糖値を上げる物には、おせんべい、ご飯、パン、パスタ、うどんなどがあります。

 ハーバード大学の長年の研究によると、病気を防ぐという観点から、パン、米、パスタは食べ過ぎない方がいいです。僕は白米がすごく好きなのですが、白米は避けて、十六穀米やこんにゃく米を食べています。これらもGI値はそんなに低くないので、最近は避けるようにしています。

 ブロッコリー、にんじん、アスパラの煮たもの。この中でGI値が高いものはどれだと思いますか。答えは、「にんじん」です。だから僕は最近、にんじんを食べるのをやめています。食べる量もすごく重要です。

 100万年前に、僕達の遺伝子は決まったといわれているのですが、99万年間、いつもご飯が食べられるとは限らなかった。農耕が始まったのが1万年くらい前で、それから、やっと安定してご飯を食べられるようになりました。それまでは、獲物が捕れたらすぐ食べる。そしてしばらく食べられなくても大丈夫、というように、脂を自分の体に溜め込んできました。

 だから、人間の遺伝子は、「明日食べられないかもしれないから食べておけ」と言うのです。だけど今の世界では明日も食べられます。ガソリンスタンドが明日もオープンしているのに、いつもガソリンタンクをいっぱいに詰めて走っているようなものです。

 太っているというのは危険なことなのです。脂肪からは炎症に関係するサイトカインがたくさん出ています。食べようとしているのは遺伝子のせいなのですが、賢くそれを抑えなきゃいけないのです。

 坪田一男さんのブログ「視的!健康論 ~眼科医坪田一男のアンチエイジング生活~」はこちら

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