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マンション住民高齢化、理事長のなり手不足→第三者が管理

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「管理者として、週に2回は立ち寄るようにしています」という、マンション管理者管理方式推進機構の加藤さん(中央、名古屋市の東山ハイツで)

 住民が高齢化したマンションなどで、従来は管理組合の理事長が務めた業務を、有料でマンション管理士などに任せる「第三者管理者方式」を導入する例が出てきた。

 理事長のなり手が不足して負担が増しているためだ。ただ、住民側は業務をチェックし任せきりにしないことが大切だ。

 名古屋市にある築37年のマンション「東山ハイツ」(19戸)では昨年12月、理事長が務めてきたマンション管理の責任者「管理者」を、NPO法人・マンション管理支援センター(名古屋市)に、委託することを決め、理事会を廃した。長く自主管理をしてきたが、住民の多くが60、70歳代となり、理事会運営が難しくなったからだ。

 センターは管理者として、予算案を作り、管理組合総会を招集するなどした。懸案だった管理費の滞納問題も解決。前理事長の高名俊昭さん(64)は「負担が減った。委託の前から様々な問題を相談していたので、信頼できた」と話す。

 委託にあたり管理規約を改正。住民とセンターが意向や情報を伝え合う委員会を設置した。住民側のチェック機能として、定期的に業務の報告を受ける監査役を置いた。出納用の預金通帳と印鑑は住民側が保管。総会で2分の1以上の賛成があれば、委託を中止できるようにもした。

 今年9月、センターと協力関係にあるNPO法人・マンション管理者管理方式推進機構(名古屋市)が管理者を引き継いだ。同機構理事長の加藤真澄さんは「住民とコミュニケーションを取って要望を聞き、早めに対処するように心がけています」と話す。

 管理者を外部の専門家に任せる方式は「第三者管理者方式」と呼ばれ、ここ数年、関心が高まっている。国土交通省の調査(2008年度)では、4割の管理組合が「将来、必要になれば検討したい」と答えた。古いマンションほど、住民が高齢化したり住戸を賃貸したりする傾向が強まり、理事長などのなり手不足が問題になっているためだ。

 同省では第三者管理者方式に注目。昨年度から、東山ハイツなど先進的な取り組みに補助金を出して、長所や短所などを調査している。

 このうち、東京都新宿区の「新宿アイランドアネックス」(49戸)は昨年6月から、管理者をマンション管理士に委託。理事会は廃して監査人2人を置いた。日常的な業務は管理会社に任せている。

 管理者をチェックするため理事会を残すことを検討しているケースもある。

 課題もある。日本マンション管理士会連合会(東京)の会長、親泊哲さんは、〈1〉管理に対する住民の関心が低下しないように、住民への広報を徹底する〈2〉管理者が辞任する場合の後任の決め方を明確にしておく――などを挙げる。

 マンション管理に詳しい明海大学教授の斉藤広子さんは「管理の主体は管理組合。第三者管理者方式に安易に流れるのではなく、それぞれに合った方法をしっかり検討する必要がある。導入する場合も、住民が管理に関心を持ち続けることが必要」と話す。

管理者
 区分所有法では、マンションには共用部分の維持管理や管理組合総会の決議を実行する責任者「管理者」を置くことができると規定している。管理組合の理事長がなるケースがほとんどだが、区分所有者以外の第三者がなることもできる。管理者は、総会に議案を提案し、住民の承認を得て、実行する。
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