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対談(1)女性に良い油、悪い油

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 医療ルネサンス金沢フォーラムは、対馬さんの基調講演に続いて、金沢医科大学病院女性総合医療センター副センター長、赤澤純代(あかざわ・すみよ)さんとの対談が行われました。コーディネーターは、読売新聞東京本社医療情報部長・田中秀一が務めました。対談の冒頭、赤澤さんが、女性が摂取したい油脂、避けたい油脂などをテーマに話をされました。

「ジュノ ウィミンズ・ウェルネス銀座産院 銀座健康院」院長 産婦人科医  対馬ルリ子(つしま・るりこ)さん
 青森県生まれ。1984年、弘前大学医学部卒業後、東京大学医学部産婦人科学教室入局。都立墨東病院周産期センター産婦人科医長などを経て、2002年、東京・銀座にウィミンズ・ウェルネス銀座クリニックを開院。03年、女性の心と体を総合的にとらえ、健康維持を助ける医療(女性外来)をすすめる会「女性医療ネットワーク」を設立、全国600人の医師・医療者と連携して活動している。今年4月から現職。

金沢医科大学病院女性総合医療センター副センター長 赤澤純代さん
 1992年金沢医科大学医学部卒。東京大学先端技術研究所などを経て、2001年、金沢医科大助手に。その頃、3児の母として、女性が健康に関する正しい知識を早期に持つことの大切さを痛感。性差医療・女性医療で活躍する対馬さんたちとも知り合い、この分野を深く学んだ。09年、金沢医科大学病院女性総合医療センター副センター長に就任。「女性スタッフによる、女性特有の身体・精神症状の総合的な診療」を実践している。

男女のホルモンの違いに着目

赤澤純代さん

 赤澤 私は、自分の妊娠・出産の体験を通して、とてもつらかったことで、対馬先生のところを受診しました。自分では、いろいろな検査をしても異常がなくて、何だろうと思っていたところに、対馬先生の提案でピルと漢方を経験し、すごくすっきりして、これはすばらしい医療だと思いました。

 性差という言葉が大切で、男性と女性のホルモンの違いに着目した医療を進めていくことが大事です。金沢医科大学の女性総合医療センターでは、これまでの縦割りの臓器別の診療ではなく、横断的に診療を行っています。

 対馬先生のお話にもありましたが、女性の閉経年齢は変わらないけれども、平均寿命はどんどん延びている。閉経後30年余りホルモンのない状態でQOL(生活の質)が下がることを改善していこうという性差医療、女性医療がとても大切になっています。女性はエストロゲンの低下とともに、高血圧、コレステロールの上昇、生活習慣病が増えていきます。女性ホルモンの関連因子、身体的要因、心理的要因、性格、社会的な要因をしっかり整理整頓することによって、女性の不定愁訴が改善できると思います。

 病気の発症には、外部要因、遺伝子要因がとても重要になって、生活習慣、食習慣、運動、喫煙、飲酒、休養、睡眠、生きがいも大事です。甘いものをたくさん食べると、動脈硬化なども起こりやすいですし、アルツハイマーなどの素因にもなります。

 避けたほうがいい脂肪酸もあります。トランス脂肪酸は、脳にダメージを与えます。具体的には、植物性オイルのマーガリンなどです。脳の60%ほどは脂質でできていて、脂質のバランスが壊れると、細胞膜の安定が損なわれて、ADHD(注意・欠陥多動障害)、情緒不安、うつ、集中力の低下などが起こりやすくなります。女性は体脂肪率が男性より高いので、脂肪を上手にとることは大切です。不定愁訴である冷え、こり、生理不順、過食、更年期症候群などは、食事、脂質を変えることで、かなり症状が軽減されます。

 沖縄クライシスというのがありました。これまで沖縄は長寿県と言われていましたが、2000年には男性の平均寿命が26位になっています。それはファストフードが早く上陸したために起こったことです。こういった食事には、脂質の劣化したものが多くて、寿命が短くなる原因になります。マーガリン、それにショートニング、フライドポテト、ドーナツ、コーヒーのフレッシュなどは控えてほしいと思います。

脂質が変わると人生が変わる

 脂質が変わると人生が変わるということで、リノール酸系の油は植物油に多くて、γ―リノレン酸、アラキドン酸が増えすぎると、アレルギーや動脈硬化を起こしやすくなります。逆に魚の油であるEPA、DHA、それにアマニオイルをとっていただくと、炎症を抑える働きがあります。一価の不飽和脂肪酸のオリーブオイルも結構いいですね。そういう形で工夫していただけると、症状が緩和されてきます。

 グラタンなどの電子レンジで加熱した時のとろけたところがあまりよくないですね。それから、ハンバーグ、レトルト、ソーセージ、エビフライとかの二度揚げで、電子レンジを使った油は、動脈硬化を促進し、あまりよくありません。

 ヒトは、血管とともに老います。脂質をしっかりとって、動脈硬化などの予防をすることができます。ぜひ皆さん、油のとり方を注意してください。とって良い油、悪い油を知っておくことが大切です。とって良い油は、オメガ3系で、魚の油、アマニオイルなどです。逆にオメガ6系の油は、これまでよく使っていた植物オイルで、控えめにしたほうがいいです。日々の生活、養生、ライフスタイルが健康を保つカギです。

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