文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

お知らせ・イベント

お知らせ・イベント

基調講演(1)女性のライフスタイル、大きく変化

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

月経回数、昔は50回→今は500回

 女性の心と体を支える女性外来について考える「医療ルネサンス金沢フォーラム」が6月25日、金沢市の石川県女性センターで開かれました。最初に、「ジュノ ウィミンズ・ウェルネス銀座産院 銀座健康院」(東京・銀座)院長の対馬ルリ子さんが、「女性に多い病気と健康トラブル」と題して基調講演。続いて、金沢医科大学病院女性総合医療センター副センター長の赤澤純代さんとの対談が行われ、女性の健康管理について様々な角度から話し合われました。その詳報をお届けします。

「ジュノ ウィミンズ・ウェルネス銀座産院 銀座健康院」院長 産婦人科医  対馬ルリ子(つしま・るりこ)さん
 青森県生まれ。1984年、弘前大学医学部卒業後、東京大学医学部産婦人科学教室入局。都立墨東病院周産期センター産婦人科医長などを経て、2002年、東京・銀座にウィミンズ・ウェルネス銀座クリニックを開院。03年、女性の心と体を総合的にとらえ、健康維持を助ける医療(女性外来)をすすめる会「女性医療ネットワーク」を設立、全国600人の医師・医療者と連携して活動している。今年4月から現職。

 

 「女性に多い病気と健康トラブル」についてお話しします。自分の体の仕組みを知って、その特徴を上手に利用すると、毎日が快適になるばかりでなく、いろいろな病気の予防もできます。自分がやりたいこと、仕事にも妊娠・出産にも、生き生きと取り組むことができると思います。

 WHO(世界保健機関)は、健康とは単に病気がないことだけを指すのではない、と言っています。健康とは、単に病気がないことではなくて、その人が自分らしく生き生きと過ごすこと。たとえ病気があったとしても、その人なりの心と体の健やかさというのがある、と私は思います。

 日本女性は、今、世界で一番長生きになって、平均寿命が86歳を超えています。その長い人生のうち、更年期が大体真ん中あたりにきます。前半は女性ホルモンの働きがあり、妊娠・出産に適した時期。そして後半は、女性ホルモンの働きがなくなり、いろいろな病気、がんや生活習慣病などが増えてくる時期になります。

 女性のライフスタイルは大きく変化しました。昔の女の人は、体が大人になったら早く結婚して、子どもを産むものでした。子どもをたくさん産んで育て、そして、早くに人生の幕を閉じました。しかし、現在は、妊娠・出産の機会が減り、あるいは、随分遅れてきています。もちろん子どもを産まない人もいます。結婚しない人もいます。女性の生き方が非常に多様になって、いろいろな可能性があるわけです。同時に、自分はどういうふうに生きるのか、どうやって自分の長い人生を快適に過ごすかという新しい問題が出てきています。

 女性の変化の一つは、月経の回数がとても増えたことです。昔の女性は、ほとんどおなかの中に赤ちゃんがいるか、授乳しているかでした。一生の間に月経の回数は50回ぐらいしかなかったと言われています。ところが、今の女性は、もし1人、2人の子どもを産んだとしても、月経の回数は何と500回にも及ぶと言われています。昔の10倍です。

 毎月来る月経によって、20代、30代は、月経前症候群、あるいは月経困難症、そして子宮筋腫、子宮内膜症などで苦しんでいる人が多くなっています。子宮筋腫と子宮内膜症という病気は、月経の回数が多いほど、それから、出産の回数が少ないほど増えてきます。現代女性の病気ですね。子宮筋腫は3人に1人、子宮内膜症は10人に1人と言われています。

 乳がん、子宮体がんはホルモンの刺激がずっと続くことによって増えているわけですから、現代女性はみんななりやすくなっています。特に、40代、50代に増えています。

女性ホルモンが命と若さ、健康守る

 高血圧、糖尿病などの生活習慣病は、女性ホルモンがたっぷりある時期、40代までは比較的少なく、ホルモンが減ってくる時期にだんだん増えてくるという特徴があります。女性ホルモンは、女性の命を守る、若さと健康を守るホルモンだからです。

 これは妊娠・出産のために生物的にそうなっているわけですけれども、逆にホルモンが減ってしまう更年期になると、男性と同じか、あるいはそれ以上に悪化しやすい病気がいろいろあるということにもなります。

 その後の長い老年期は、女性ホルモンの守りなしに、骨を守るとか、脳を守るとか、血管を守るとか、さまざまなことに気をつけながら生きていかなければなりません。

 女性ホルモンは、卵巣から出るホルモンです。体が大人に近づいてきて、脳がそろそろ妊娠・出産の働きをしてもよいと判断したときに、脳から卵巣に指示が伝わります。それによって卵巣の中に眠っていたたくさんの卵のうち幾つかが、むくむくっと起き出します。そして、卵を育てながら、卵を成熟させていく。このときに出てくるホルモンをエストロゲンといいます。女性はエストロゲンがあるおかげで、男性よりも7歳ぐらい寿命が長いとも言われたりするぐらいです。

 卵が育ち終わって成熟してきたころに、脳から次の指令が下ります。排卵指令です。排卵指令が下りると、卵巣から卵が出ます。そうすると、卵巣の中に黄体ができます。この黄体が出すホルモンをプロゲステロンといいます。プロゲステロンは妊娠を助けるホルモンです。プロゲステロンが出ている時、女性は何となく気分が落ち込みがちになります。何となく神経質になって、おうちでゆっくりしていたい、静かにしていたい、あまり人に会いたくなくなります。体の働きも、腸の働きが悪くなって便秘がちになったり、腰が重くなったり、足がむくんだりしやすくなります。頭や肩も痛くなったりして、何となくぼーっとしています。

 この時に、仕事が忙しかったり、ストレスがたまっていたりする人は、月経前症候群という症状が起こります。非常にうつ気味になったり、いらいらしたり、頭痛、肩こり、めまいというような、まるで更年期のような症状が出たりします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

お知らせ・イベントの一覧を見る

最新記事