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シリーズ痛み 続・私の物語

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水沢アキさんが語る (1) 「頭痛は我慢」 と思い込んでいました

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水沢アキさん
1954年生まれ。高校在学中にスカウトされデビュー。女優として数々のドラマに出演、NHK「連想ゲーム」のキャプテンや「なるほど!ザ・ワールド」などのリポーターとしても活躍。二児の母。


デビュー当時に始まった痛み

 最初の痛みは10代の終わり。京都で時代劇の撮影をしている最中に、カツラで締め付けられるような痛みが始まりました。カツラが合わないのかなと思っていたけれど、まだ新人だったこともあるし、「代えはあらへんよ」と言われて我慢していました。つらかったですね。でも、その後も、痛みが続くようになりました。

 月1、2回ぐらいですが、まず朝起きると、「なんかだるいな」と感じるのです。それで、肩と首がはってきて、眼の裏が痛くなります。スプーンでえぐられるような感覚ですね。さらに頭痛が起きて、吐いてしまうんです。肩、首、目・・・必ずそのパターンでした。吐くと少しは痛みがやわらぎますけど、どんな姿勢をしても痛くて、部屋で一人、のたうちまわっていました。

せっかくの休日が無駄に

 不思議なことに、仕事の時はほとんど痛みは出なかったのですよ。痛みが起こるのは決まって、緊張がほぐれてリラックスした時でしたから。ドラマのお仕事が終わって新幹線に乗って、席に座ったタイミングだったり、休日だったり。朝起きて、「さあ、今日はまず洗濯して、掃除して、それからお出かけして」なんて思っても、全部無理になってしまう。

 せっかくの家族旅行もがっかりなことが多かったですね。成田空港に向かう途中、車内で吐いてしまったこともありました。運転しながら、ビニール袋をとりだして!!そう、ちょうどレインボーブリッジの上でした!飛行機でも、床にうずくまってじっとしていました。滞在先のホテルでは一人残ったことも。

家族も自分も「頭痛は我慢」

 家族は、もう慣れっこ。「ああ、またか」と。だれも心配してくれないです。痛がっている私の前で子供がずっとゲームしていたこともありました。あと思い出した!離婚する前のことです。家族四人で食事をして、みんなが杏仁豆腐を残すから、私が四人前食べちゃったの。もったいないでしょ。そのあと痛み出したの。その時、夫から「あんなにいやしく食べたから」みたいなことを英語で言われたこともあったわ。私も家族も頭痛なんてたいしたことない、我慢する、というのが常識だったのですよね。病院に行くなんて想像もしていませんでした。

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