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シリーズ痛み 続・私の物語

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小椋久美子さんが語る (3) 「オグシオ」人気に戸惑いも

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今語る「オグシオ」

 引退してから、久しぶりに実家でのんびりと過ごしました。高校入学のときに実家を出て以来ですね。「オグシオ」についても、思い出として振り返ることがあります。当時は勝つことで精いっぱいで、多くの方の声援は、「期待に応えないといけない」というプレッシャーでもありました。

 2006年夏、日本で開かれたユーバー杯。1万人以上のファンが応援に来てくれて、入場制限もあったと聞きました。コートにたって、足がすくんで、全く自分のプレーができないまま負けてしまいました。しばらくは、人の目が怖くて、1週間は「また負けてしまうのでは」とコートに入れないばかりか、外出もできませんでした。

 でも、その後、チームのみんなの練習を見学していた時に、ふと思ったのです。「こんなに懸命に練習しているんだから、その結果勝っても負けてもずっと応援し続けるな」と。そして、「きっと私たちを本当に応援してくれている方なら、たとえ負けたとしても受け入れてくれるだろう」と思うようになり、ある程度割り切れるようになりました。

 引退した今の方が、本当に、多くの方の応援が有り難かったなと思えます。バドミントン選手として、あんなに応援をしていただけて、とても有り難い体験でした。

バドミントンの楽しさを伝えていきたい

イベントで子どもたちと笑顔を見せる小椋久美子さん(2010年6月、カイ・エンタープライズ株式会社提供)

 今は、子どもたちへのバドミントン普及活動に力を入れています。

 優秀な指導者は沢山いらっしゃいますし、指導者として私はとても及びません。でも私は、指導者としてではなく、バドミントンのラケットを握ったことのない子どもたちも含め、まずはバドミントンが楽しいという体験をしてもらう活動をしていきたいです。

 私、現役時代はずっと競技者に不向きな性格だと思っていました。負けず嫌いではありますが、周囲の目もとても気になりますし、とにかく前に進むのが怖かったんです。

 でも、実家で両親から小さい頃の話を聞くと、「みんなで出かけても、一人で勝手にどこかへ行ってしまうことが良くあった」とか意外なことを聞きました。自分でも気づかない色々な面がまだまだあるのかもしれませんね。

 可能性を大切にしながら、これから様々な仕事に挑戦していこうと思います。

 

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