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ダイエット体験談 優秀作

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体重計の針 またも1周

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裸の王様(男性) 54歳 川崎市

 産まれて3か月の息子の体重を量るために、息子を抱っこしてヘルスメーターに乗った。「何キロになってる?」。幼稚園児の娘に聞いた。

 「ゼロだよ」。娘が答える。

 「ゼロなわけないよ、ちゃんと見てるの?」

 「うん、ちゃんと見てる。クルッと回ってゼロだってば」

 「クルッと回ってゼロ??」。文字盤が回るタイプの体重計が、1周してゼロになった。つまり、二人でちょうど100キロ。

 おそるおそる自分の体重を量ると93キロ。驚きの数字に、私は早速ダイエットに取り掛かった。

 「とにかく食べない」というダイエットで、みごとに3週間で10キロやせた。「食べなきゃやせる。簡単じゃないか」そう思ったのもつかの間、すぐに体重は元に戻った。

 それから数年たち、体調がすぐれないので病院に行くと、若い医者が「血圧が高い。この肉が原因」と脇腹をわしづかみに。ムッとした私は、ダンベルダイエットを開始する。

 「若造のくせに生意気だ」

 医者の忠告が闘争心に火をつけて、燃えに燃えた私は、ダンベルだけではもの足りず、両足首に5キロのウエイトを付けて通勤。休日は、近所の坂道を1時間歩き回るという熱の入れよう。みるみる体は引き締まり、若造に褒められるほど体重が減ったが、それと同時に闘争心も消え、ダイエットを放棄してしまう。

 さまざまなダイエットにチャレンジし、見事にやせるのだが長続きしない。ダイエットとリバウンドの繰り返し。すばらしいダイエットと知り合えば知り合うほど「簡単にやせることができるから、そのうちはじめよう」となってしまう。

 今年、3500グラムで産まれた息子が高校に入学した。連休に片付けものをしていたら、懐かしい文字盤が回る体重計が出てきた。風呂上がりに乗ってみると、息子を抱っこしていないのに文字盤はクルッと回ってゼロを指した。

 ダイエット歴15年。やせては太るの繰り返し。振り返ってみると体重は80キロを切ったことはなく、年齢が増すにつれ「やせるぞ!」というモチベーションすらなくなった。私が適正体重になるために必要なのは、カロリー計算や適度な運動という生活習慣の改善ではなく、「熱しやすく冷めやすい」性格改善が先決だと、いまになって気がついた。

 ヨミドクターで募集した「ダイエット体験談」の応募作品の中から、優秀作を紹介しています。

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