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難聴の後、耳鳴りがひどい

 昨年の3月に突発性難聴で左耳の聴力を失いました。聞こえないだけなら何とか対応できますが、耳鳴りがひどいです。聞こえなくなった耳の耳鳴りを解消する治療方法はありますか。(43歳男性)

慣れること、気を紛らすことで改善

鴻(おおとり)信義 慈恵医大耳鼻咽喉科准教授(東京都・港区)

 突発性難聴は、「内耳」の障害で起こる、原因が明らかでない難聴(内耳性難聴)です。このような難聴にかかり、治療を受けたにもかかわらず聴力が改善せず、そのうえ耳鳴りが残ってしまうケースでは、耳鳴りを消失させる有効な治療方法はあまりありません。質問者のような患者さんにとって、耳鳴りはとても不愉快な症状です。耳鳴りを意識するようになると、耳鳴りは増強します。すると、耳鳴りが絶えず気になり、結果として耳鳴りはさらに増強するという悪循環になってしまいます。

 耳鳴りの治療には、原因疾患(急性難聴など)に対する治療、耳鳴りの抑制療法、およびカウンセリングなどの心理療法があります。質問者は、突発性難聴を患ってから1年以上経過していますが、聴力が全く回復せず消失したままということですので、治療方法としては、聴力の改善を目指すのではなく、耳鳴りに慣れること、あるいは耳鳴りから気を紛らわす抑制療法が中心になります。

 例えば、好きな音楽があれば、それを聴く事は有効かもしれません。就寝時に小さめの音で音楽をならしてリラックスし、気を紛らわせて眠りにつくのもよいでしょう。カウンセリングなどで、耳鳴りから受けるストレスを軽減させることも有効です。

 一方、薬物療法としてはビタミン剤や血流改善薬などが投与されます。耳鳴りによる入眠障害があれば睡眠導入剤を、また耳鳴りへの不安が強ければ抗不安薬も使用されます。しかしこれらの薬剤は、耳鳴りを消失させるためではなく、耳鳴りが少しでも緩和されることを目的として投与されます。

 その他には、耳への麻酔薬の注射や電気刺激などの方法もあります。

 また、TRT(tinnitus retaining therapy)という方法もあります。これは、特殊なノイズ発生器から発生するノイズを1日に6~8時間聞くことで、耳鳴りに対する意識の軽減が期待されます。ただし、高度難聴(あるいは聾)があるときはノイズを聞くことができないため、質問者の場合は残念ながらTRT療法の適応にはなりません。

 以上、色々と試してみて、ご自分にあった治療を焦らずに探してみてはいかがでしょうか。

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