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自分の見せ方 語る腕時計
時計収集家 小林康浩さん
腕時計は男性にとってのアクセサリー。時刻の確認に加え、身に着けた人の印象を華やかに演出したり、装いにアクセントを加えたりできるからだ。場面に合わせて着け替えて時計のおしゃれを楽しみたい。(生活情報部 斎藤圭史)
PR会社に勤める小林康浩さんは、時計収集家としての顔も持つ。腕時計に魅せられたきっかけは、就職して間もない頃、仕事相手に「しゃれた腕時計を着けていると、モテるよ」と言われたことだとか。
以来、国内外の
小林さんによると、腕時計とは、「自分をどう見せたいか、あるいはどう見られたいかを雄弁に語る小道具」だ。ビジネスマンの装いは、紺かグレーのスーツに黒の革靴、手提げカバンと選択肢は少なく、見た目の印象が画一的になりがち。それゆえ、「ちらりと見える時計や名刺入れ、筆記具などの小物にこそこだわるべき」というのが持論だ。
時計もファッションと同様、ケースの形状や大きさなどに流行があり、最近はケースの大きさが直径45ミリほど、厚さも10ミリ近くある「デカ厚」と呼ばれるものが人気だ。
だが、小林さんは「仕事用なら流行に流されず、スーツ姿になじむシンプルなものを選んでほしい」と話す。年代や立場の異なる人に出会う仕事の場でアピールしたいのは、誠実さや信用力だからだ。
お薦めは、直径40ミリ、厚さ5ミリほどの丸いケース、白い文字盤、革ベルトという三つの要素を備えた腕時計。特に、ケースの大きさは、わずか数ミリの違いで見た目の印象が大きく異なるので気を使いたい。
金属部分は金色よりも銀色、文字盤の時刻表示は数字よりも、バーインデックスと呼ばれる棒状になっているものの方が、洗練された雰囲気に見える。「装いに合わなかったり、場違いになったりすることがない上、堅実な印象を与えてくれる。金ぴかの高級時計をしていれば良いというものではありません」
個性や遊び心は、これらの要素を大きく逸脱しない範囲で演出したい。例えば、ベルトを茶色の革にすれば温かみを感じさせるし、文字盤が洋数字のものは若干くだけた印象になる。2本目を買うなら、角形のケースも一考に値する。
一方、休日には、自分の好みを最優先に、流行の時計を楽しむ。薄着になるこれからの季節は、マラソンブームの影響で種類が多彩になっているスポーツウオッチや、さわやかな装いにピッタリのダイバーズウオッチがお薦め。
小林さんは「休日のカジュアルな装いに、仕事用のシンプルな腕時計ではつまらない。ファッション同様、オンとオフを切り替えて楽しんでみてください」と話している。
こばやし・やすひろ |
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1959年生まれ。大学卒業後、企業の広報や販売促進を支援するPR会社に就職。時計会社を担当していた頃、アンティーク時計の収集を始める。独立して、88年にPR会社メディコを設立。現在、専務取締役兼PRプロデューサーとして、複数の時計ブランドなどの広報を手掛けている。 |
ベルトで変わる印象
愛用している時計の見た目を変える方法として、ベルトの交換がある。小林さんは「時計を買うより安く、オンとオフ、季節ごとの切り替えを楽しめる」と薦める。
フランスの革小物メーカー「ジャン・ルソー」では、牛やワニ、オーストリッチなどの革に加え、ラバーや着物生地など、様々な素材や色柄のベルトを受注生産している=写真=。時計のデザインに合う素材などの相談にものってくれる。
受注から完成まで10日ほどかかる。牛革は1万2600円から、ラバーは1万9950円から。別途オーダー料4200円が必要。東京の「ISHIDA青山表参道」など、国内30店舗で受け付けている。
問い合わせは、ジャン・ルソー(03・5419・2060)へ。
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