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石井苗子の健康術

yomiDr.記事アーカイブ

科学は知識を生み、意見は無知を生む

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(これ私が言った言葉ではありません。代替医療がテーマの本の中の言葉なのです)


 この言葉に私がでくわしたのは10日ほど前ですが、ヒポクラテスは2千年前に言ったのだそうです。

 「代替医療のトリック」(新潮社・サイモン・シン & エツアート・エルンスト)の冒頭で紹介されていました。すでにお読みになった方もいらっしゃると思います。著者のサイモン・シンは「フェルマーの最終定理」や「暗号解読」がベストセラーになった有名なジャーナリストで、その人が科学者のエツアート・エルンストと組んで、帯に「本当に効くのか?」と書いたので影響が大きかったのでしょう。今、日本でもNPO団体などを中心に代替医療に対する新しい考え方の集会が増えつつあります。

 それにしても、「意見は無知を生む」とは乱暴な言い方です。政治家なんか無知を生み出しっぱなしということになってしまいませんか?どうやらそういう意味ではなく、医学的な治療に限った言葉のようです。

 「いかなる治療方法も科学的な根拠に基づき客観的に効果を説明するべきである。さもないと、宣伝がうまい個人の主観的な意見がやたらに広まるからだ」。なるほど、だから最近のTVCMは個人が効果を喋っている下に、「あくまでも個人的な感想です」とスーパーが入る。あれは無知を生みだしているなんて批判されないためなんですね。

 ガンの免疫療法、針、カイロプラクティック、ハーブ治療、リフレクソロジーと、「代替医療のトリック」を読むと盛りだくさんの知識を詰め込むことができます。一貫して科学的な証明がない代替医療に騙されるなと言いたいようではありますが、実際問題として、科学的な証明に要する研究期間の長さは半端ではありません。今すぐ代替医療を受けたいと言う人に、証明されてないからやめなさいと果たして言うべきでしょうか。

 この点について、私の大学の研究者は強硬な態度に出ました。信用が置けない代替医療については断固警告を放つべきで、たとえ何年かかっても科学的に証明されたものが正しい治療なのであり、科学者たるもの証明されてないものに対して名前を貸すなどして推奨する行為は決してあってはならない、とおっしゃる。おそらくご高名な医師がガン免疫治療の代替医療を推薦していることに対する反発なのでしょう。

 しかし、治療を受ける側の、少しでも楽になりたいと思う気持ちはどこへ持っていったらいいのでしょうか。効果の可能性にかける期待と科学的な証明はどの時代においても平行線をたどるような気がしてなりません。それこそ医学の限界というものではないでしょうか。

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石井苗子さん顔87

石井苗子(いしい・みつこ)

誕生日: 1954年2月25日

出身地: 東京都

職業:女優・ヘルスケアカウンセラー

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3件 のコメント

高校時代のリタイアー友人達との会話

kiku

いろいろな世界で仕事をしていたリタイアー友人達が、年中ゴルフが格安でできる宮崎に帰ってきている。 某損保会社に勤務していたN君は、「サメの軟骨」...

いろいろな世界で仕事をしていたリタイアー友人達が、年中ゴルフが格安でできる宮崎に帰ってきている。


某損保会社に勤務していたN君は、「サメの軟骨」を飲み始めて膝痛が治ったらしい。2年前までは、都会の地下鉄の階段を上り下りして通勤していたらしい。膝か痛くて正座もできなかったという。帰宮してゴルフを始めた。


「サメの軟骨」も月額1万5000円で購入し飲み始めた。1ケ月程度経過して次第に歩行時膝痛がなくなり、2年経過して正座もできだした、という。


みんなに、「そのサプリメントを止めて痛みが出だしたら本当に効果があるよ」と言われても止めるとはいわない。

月額1万5000円だから低価格のサントリーのサプリメントに変えるつもりだという。


私は、整形外科医だから「たとえば、血を飲んでも血にはならないよ。最小分子のアミノ酸まで分解されて又何かが合成される可能性はある」と説明するのだが、聞き入れない。彼の場合、環境が変わり階段の昇降はなくなり、やわらかい土と芝の上を歩き始めたために関節適合が起こり膝痛が消失したものと考える。

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科学的根拠がないとは

April(医療従事者)

この時点でプラセボ以上の効果がないようだということを意味します。 そのようなニュートラルなものを専門家が推奨するのはやはり不誠実であると考えます...

この時点でプラセボ以上の効果がないようだということを意味します。

そのようなニュートラルなものを専門家が推奨するのはやはり不誠実であると考えます。


プラセボでもあればいいじゃないかという意見については、ほかに治療がないならば百歩譲っても、ほかに科学的根拠がある治療がある場合には、やはり最終的には患者の不利益につながります。専門家の言葉には重みがあります。私は本文にでた研究者の態度を支持しますし、「ご高名な医師」には反発します。


付け加えますが 患者への説明の仕方は重要です。どうして代替医療に効果が期待できないのか、そこを丁寧に説明しなければ患者は代替医療を選択することになります。


と長々と書きましたが、すみません これも「代替医療のトリック」のほとんど受売りですが…

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胡散臭い代替医療

ponchan

は巷に溢れていますが、近代(現代)西洋医学で実証されたものしか認めないというのも少し偏っているような気がします。何百年、何千年という経験の積み重...

は巷に溢れていますが、近代(現代)西洋医学で実証されたものしか認めないというのも少し偏っているような気がします。何百年、何千年という経験の積み重ねで成り立っている代替医療もあると思います。


逆に現代医学が認めた「心理カウンセラー」や「臨床心理士」などが無力の場合もあるでしょう。

プラセボー効果なんてのもあります。悲しい時や苦しい時に慰められれば一時的にしろ癒されるでしょう。

現在のところは効果を科学的に実証できない代替医療も、もっと科学が進んだら数値で証明できるようになるかもしれませんね。

ところで、胡散臭い健康食品などに平気で箔付けに登場する医療関係者には私も不愉快さを覚えます。

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