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国民皆保険制度の仕組み

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作図・デザイン課 遠藤牧子

 米国で「国民皆保険」が話題だと聞きました。日本の医療保険制度は、どうなっていますか?

保険証1枚 だれでも保障

 日本で初めての健康保険制度は1922年(大正11年)、工場労働者を対象に作られた。38年には市町村が運営し、農業従事者らが加入する国民健康保険が出来るなど、大正時代以来の長い歴史がある。

 保険証1枚で、いつでも、どこでも、だれでも医療機関にかかることができるという、世界に冠たる「国民皆保険制度」が実現したのは61年。来年で50年になる。

 我が国の公的医療保険制度は、患者負担に加えて、保険料と税金を財源として運営される共助の仕組み。患者の窓口負担は、制度ごとに分かれていたが、2003年4月からは、69歳以下は3割などと、年齢区分により統一された。

 加入する医療保険は、職業や年齢で異なる。サラリーマンには、大企業の従業員らの組合管掌健康保険(組合健保)や、中小企業の従業員らの全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)がある。自営業者や、会社を定年退職した人は、国民健康保険に加入するのが一般的。08年4月からは、75歳以上になると、後期高齢者医療制度に入るようになった。

 近年、保険料を払えない人や、医療費の未払いが増えており、皆保険制度が揺らいでいる。今後、医療機関にかかることが多い高齢者が増えれば、医療費も増加する。皆保険を維持するためには、保険料の引き上げや消費税増税などが避けられない。

 一方、米国では、65歳以上が対象のメディケア、低所得者向けのメディケイドが制度化されているが、全国民をカバーする公的保険はない。国民の多くは民間保険に入るが、保険料を負担できない場合は、無保険者となる。その数は約4600万人(08年)。オバマ大統領の主導で、3月に成立した医療保険制度改革法により、今後10年で3200万人が保険に加入できる見込みだ。

 改革法では、メディケイドの年収基準を緩和するほか、国民に保険への加入を義務付ける。また、既往症を理由に、保険会社が加入を拒否するのを禁止することも盛り込んだ。保険加入を公的に後押しすることで、国民皆保険への道筋をつけたと言える。

 日米ともに今後の改革の行方が注目される。(内田健司)

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