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(3)まず生活習慣の改善

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医療ルネサンス さいたまフォーラム

 ――血糖が高い状態が続くと、必ず合併症は起きるのでしょうか。

 田嶼 血糖が高い状態が10年以上も続くと、網膜症は、ほぼ100%起こるといわれています。腎症などは必ずしもそうではありません。また、早い時点、あるいは一定の線を超える前に血糖コントロールを良くすると、合併症が改善することもあります。

 ――初期の患者は合併症が起きることを真剣に考えていますか。

 関本 血糖値だけに気持ちが行きがちです。合併症が出るまでには時間がかかり、自覚症状は乏しいからです。手足のしびれがひどくなったり、目が見えなくなったりしてから、怖さが分かっても手遅れになりかねません。診察時にこちらで足の状態を確認し、眼底や腎臓の検査を受けるよう勧めるケースも多いですね。

 ――糖尿病患者は、どんな不安を感じていますか。不安を克服するための工夫や心構えは。

 横田 失明など合併症の恐怖があります。生活に支障が出るのが一番不安ですね。不安を解消するには、しっかりした血糖管理しかありません。ちゃんと管理できている時と、そうではない時の不安の大きさは全く違います。

 ――糖尿病治療は食事療法、運動療法、薬物療法があります。まず食事についてお願いします。

 関本 食事療法では、まず標準体重を割り出します。次に、仕事や年齢、性別などにより必要カロリー数を計算して、一日に食べる量を栄養士が指導します。食事療法は家を建てる際の基礎工事と同じ、土台をしっかりしましょうと話をします。ご家族の協力も大事だと思います。

 横田 残す勇気が大切ですね。食事する相手に失礼でも、「おいしかったのですが、糖尿病があるので……」とお断りする勇気を持ちましょう。どうしても食べたい時は、食後に運動をして血糖を下げます。

コーディネーターの田中秀一・読売新聞東京本社医療情報部長

 ――運動もなかなか実践は大変ですが。

 田嶼 大げさに考えないで、短時間でも体を動かせばいいと思います。家の中で片づけをしたり、ちょこちょこ体を動かしたりすることがエネルギー消費につながります。

 関本 運動療法をやってくださいと言うと、早朝に散歩している姿をよく見かけます。食後高血糖の人なら、早朝ではなく、食後に30分ほど運動されたら、効果的に血糖が下がるのではないでしょうか。

 横田 運動療法と構えると、心理的に圧迫される感じがしてきます。家の階段の上り下りや部屋の模様替えでも十分な運動になります。

 ――薬物療法には、飲み薬やインスリン療法があります。

 田嶼 2型糖尿病の場合、太っているメタボ型の人とインスリンの出が悪い人に病態を分けて飲み薬を使います。薬の作用を考えて、個人個人にあった薬を選ぶことが大切です。インスリン注射は、HbA1cを下げるのに効果的ですが、早目に使って膵臓を休ませ、インスリンを分泌する力を回復することもできます。現在のインスリン注射は、使い方が簡単になり痛みも少なくなりました。病気ときちんと向き合って、医師の指示を守れば、寿命が全うできると思います。

 【2型糖尿病】 遺伝的な要因に、過食や運動不足、肥満などの生活習慣の乱れが加わって発症する。日本人患者の約90%以上を占める。

質疑応答

 「薬で血糖値をコントロールしていますが、やせすぎです。体重を増やして体力をつける方法は」(60歳代、女性)

 田嶼 体に必要なエネルギー量はとらなくてはなりません。極端に食事を制限するのは間違いです。必要な分だけ食事をとって血糖が高くなったら、それにあわせて薬やインスリンを使ってください。

 「糖尿病治療中の夫が、8月に富士登山を計画しています。気をつけることは」(60歳代、女性)

 関本 初めて山に登る場合は、訓練を積んでいないと、健康を損なう危険があります。簡単なウオーキングから始めて登山する体力を少しずつつけていき、大丈夫そうなら行かれたらいいと思います。(この回は、2009年7月30日掲載の読売新聞から転載しました)

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