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うつと認知症 ~最新の解釈と介護~

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(3)認知症の家族を診ていく方法

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ちば健康塾


【お薬の飲ませ方】

 まずお薬の飲ませ方ですが、ご家族でお手伝いしてほしいということです。高齢になって、あちこちの科にかかっているとなるべく整理してまとめていかなくてはなりません。今はお薬手帳というのがありまして、薬を記載することで薬局が管理していきます。みなさんもぜひ、おじいちゃん、おばあちゃんにお薬手帳を持たせてあげてください。ダブッていたら、薬局やお医者さんに相談してみてください。

 それから水分をとってほしいですね。ご高齢になってくると、お茶を飲むのは好きなんだけど、ちいさなお茶わんでちょこちょこ飲む程度です。薬を飲むときは十分なお水と一緒に飲んでください。胃の中に胃酸があるんですが、やはり水分がないと薬剤は溶けません。お薬が腸に流れていって腸に吸収されます。それぐらい水がないと、からからになった小腸にぺたっとはりついた薬がとれないこともあるんです。だから水分は1日500ミリ・リットルくらいはとるようにしてください。

【医師との付き合い】

 昼夜逆転というような困ったことがあったら、医師にぜひ訴えてください。精神的な疾患が原因である場合があります。うつの症状の一部分でもあるわけです。一般医に診察をうけるよう促すことも必要です。まずは内科の先生に聞いてみて、専門医が必要であれば紹介していただくことが重要です。

 他の先生の紹介をお願いするなんて怒られるんじゃないかと思いがちですが、今ではセカンドオピニオン(主治医以外の第2の意見)という言葉もあります。もう一人先生がいてもいいんです。本人が行かなくても治療相談できる場合もあります。そういったセカンドオピニオンを利用して、主治医に報告していただく。そういったことをみなさんに推進していただきたいと思います。

【認知症の自覚がない患者】

 認知症には病気の意識がないことが多いんです。「最近忘れっぽくなったんじゃないの」と娘さんに言われると「そんなことありません」と言う。高齢の方には尊厳もあり、気位の高い方もいらっしゃいますから、自分が忘れっぽいなんていうことはあってはならないと思っていることがあります。

 独居の場合、これも発見が遅れる場合が多いですね。一人で生活されてますので、遠いところに住んでる家族にたまに連絡をとっていただくということと、近隣の家族に管理していただく。もしくは巡回型看護師に援助をお願いしていただくことが必要になってきます。

 認知症の方がいるならやはり居場所が確認できるGPS装置を持たせて、迷子になった時の対策をたてなくてはなりません。独居の場合も同様です。家族支援というのは大変重要になってきます。

【利用したいサービス】

 グループホームというのが流山市でもいくつか出てきています。5人~9人の共同生活を営みます。同じくらいの人たちが仲良く、9人そろえば、そこのグループホーム一つ貸しきりになります。そういう形で老後を過ごせれば幸せだと思うんですが、まだまだこのグループホームの数は圧倒的に少ないです。

 病院も長期で入院できません。結局預けるところがなくて自宅でみるというのが現状です。こういったグループホームがこれからどんどん増えていってほしいと思います。

 自宅で生活している場合、通所介護と、夜間対応型の訪問介護というものがあります。こういうところでお風呂に入れない人が入れるようになったりします。

知っていれば役に立つ『がん情報の調べ方・読み方』は4回に分けて掲載しています
(1)がん情報の提供体制が整ってきた(2010年3月1日)
(2)がん診療連携拠点病院の相談支援センターを利用してください(2010年3月2日)
(3)がん診断されると誰しも落ち込むが、立ち直ることができる(2010年3月3日)
(4)家族ががんと診断された時(2010年3月4日)
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