文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

医療相談室

骨髄線維症

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

骨髄線維症と診断

 「骨髄線維症」と診断を受けました。難病なので将来を考えると暗い気持ちになりますが、家族のためにもできるだけ長生きしたいと願う毎日です。(女性)

腹部の打撲や圧迫に注意して

小沢敬也さん 自治医大病院血液科教授(栃木県下野市)

 骨の内部の骨髄には血液細胞を作る造血機能があります。骨髄が線維化を起こし、正常な造血を行えなくなる病気を骨髄線維症と呼びます。骨髄に針を刺す検査で骨髄液を採取できないと、この病気が疑われます。他の病気でも2次的に骨髄の線維化が起きることがありますが、ここでは原発性骨髄線維症について説明します。

 まれな病気で高齢者に多く、原因不明ですが、遺伝子レベルでの異常も分かりつつあります。平均生存期間は約10年といわれ、ゆっくりと進行しますが、個人差が大きいようです。

 骨髄の代わりに造血機能を担うようになる脾臓(ひぞう)や肝臓が、腫れてきます。自覚症状は腹部膨満感などで、動悸(どうき)、息切れなどの貧血症状も出ます。

 初期は自覚症状が乏しく、治療せずに経過をみるのが一般的です。貧血が進むと、造血機能を刺激する「蛋白(たんぱく)同化ホルモン」を用いることがあります。白血球数が多くなり、脾臓の腫れが目立つ場合は、抗腫瘍(しゅよう)薬を用い、脾臓に放射線を照射することもあります。

 新薬も開発されつつありますが、根治薬はまだありません。貧血に対して輸血が繰り返し必要になることもしばしばです。唯一の根治療法は、血液の元になる造血幹細胞の移植(骨髄移植)ですが、危険を伴うため、専門医と慎重に相談する必要があります。

 日常的には脾臓の破裂を防ぐため、腹部の打撲や圧迫がないように注意してください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

医療相談室 新着回答

一覧へ

相談を投稿する

・オンライン相談の投稿ができるのは、読者会員と、一般会員+(ヨミドクターで有料登録している一般会員)です。

・読売IDをお持ちでない方は、下の「会員登録」のボタンをクリックして、手続きしてください。

・読売IDをお持ちの方は、「ログイン」してご利用ください。

  • 相談と回答は紙面に掲載されることもあります。すべての相談にはお答えできません。また、個別には回答いたしません。

直接相談する

24時間電話医療相談サービス

相談するには

・オンライン相談の投稿ができるのは、読者会員と、一般会員+(ヨミドクターで有料登録している一般会員)に限ります。

・電話による医療相談は、読者会員、一般会員とも、有料(プラス)登録した会員が、24時間365日ご利用いただけます(相談料・通話料は無料)。


・有料登録すると、月額200円(税抜き)かかります。

医療大全で見る

医療大全では、病気のほか、検診・治療・付き合い方など、項目ごとに整理された記事を読むことができます。

医療大全で「骨髄線維症」を見る