骨髄線維症
骨髄線維症と診断
「骨髄線維症」と診断を受けました。難病なので将来を考えると暗い気持ちになりますが、家族のためにもできるだけ長生きしたいと願う毎日です。(女性)
腹部の打撲や圧迫に注意して
骨の内部の骨髄には血液細胞を作る造血機能があります。骨髄が線維化を起こし、正常な造血を行えなくなる病気を骨髄線維症と呼びます。骨髄に針を刺す検査で骨髄液を採取できないと、この病気が疑われます。他の病気でも2次的に骨髄の線維化が起きることがありますが、ここでは原発性骨髄線維症について説明します。
まれな病気で高齢者に多く、原因不明ですが、遺伝子レベルでの異常も分かりつつあります。平均生存期間は約10年といわれ、ゆっくりと進行しますが、個人差が大きいようです。
骨髄の代わりに造血機能を担うようになる脾臓(ひぞう)や肝臓が、腫れてきます。自覚症状は腹部膨満感などで、動悸(どうき)、息切れなどの貧血症状も出ます。
初期は自覚症状が乏しく、治療せずに経過をみるのが一般的です。貧血が進むと、造血機能を刺激する「蛋白(たんぱく)同化ホルモン」を用いることがあります。白血球数が多くなり、脾臓の腫れが目立つ場合は、抗腫瘍(しゅよう)薬を用い、脾臓に放射線を照射することもあります。
新薬も開発されつつありますが、根治薬はまだありません。貧血に対して輸血が繰り返し必要になることもしばしばです。唯一の根治療法は、血液の元になる造血幹細胞の移植(骨髄移植)ですが、危険を伴うため、専門医と慎重に相談する必要があります。
日常的には脾臓の破裂を防ぐため、腹部の打撲や圧迫がないように注意してください。