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骨を元気に

連載・健康プラス

(3)片足立ちで適度な負荷

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 元気な骨を作るには、運動も大切になる。骨に適度な負荷をかけることで、骨量が増えるからだ。実際、負荷のかからない無重力の宇宙空間で長期間過ごした後に帰還すると、骨が弱くなることが知られている。長期間、寝たきりで過ごした場合も同じだ。

 骨粗しょう症になった高齢者に起こりやすくなるのが、太ももの付け根の骨折。西蒲田整形外科(東京)の院長、阪本桂造さんは「ほかの部位の骨と違い、太ももの付け根は骨折するとつきにくい。大がかりな手術が必要になるため、日頃から骨を強くしておく必要があります」と話す。

 体力に自信があれば、ゲートボールや太極拳など、好きな運動に取り組めばよい。しかし、そうでない人の場合は選択肢が限られる。そこで阪本さんは「ダイナミックフラミンゴ療法」=図=を推奨している。簡単に言えば、片足立ちだ。

 阪本さんによると、片足立ちをすると、両足で立っている場合と比べ、太ももの付け根には約2・75倍の負荷がかかる。左右1分ずつ行うと、約53分間歩くのと同じ負荷になるという。

 具体的には、左右1分ずつの1セットを1日に3回行う。連続して1分できなければ、最初のうちは途中でもう一方の足をついてもいい。また、壁や柱、イスの背などに手をついて行うと、体を安定させることができる。

 阪本さんは1993年から10年間、骨粗しょう症の人に片足立ちを1日に3回実践してもらったが、3か月後には、約6割の人が太ももの付け根の骨量が増えた。その後、骨量は緩やかに減少するが、運動を始めた時期の骨量は維持された。「元々、片足で15秒程度しか立てない人には有効。骨盤周辺の筋力やバランス感覚を養い、転倒を予防する効果も期待できます」と阪本さん。

 ただ、片足立ちをすると、ひざには太ももの付け根以上の負荷がかかる。ひざに痛みがある人には勧められないという。

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