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(上)新型インフル「正しく怖がる」

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医療ルネサンス 郡山フォーラム

 新型インフルエンザの特徴を知り、感染や重症化からいかに身を守るかを考える「医療ルネサンス郡山フォーラム」(読売新聞社主催)が11月20日、福島県郡山市のビッグパレットふくしまで開かれた。国立感染症研究所感染症情報センター主任研究官の安井良則さんが、基調講演で流行の現状やワクチン接種の効果などを説明。小児科医で、福島県医師会副会長の菊池辰夫さんとの対談も行われ、市民は真剣な表情で聞き入った。

[基調講演]国立感染症研究所感染症情報センター主任研究官 安井良則さん

空気感染ほとんどない / 感染した子、目を離さない

 
やすい・よしのり 大阪市立大医学部卒、同大学院修了。大阪市立総合医療センター内科、大阪府堺市保健所勤務などを経て2004年から現職。47歳。

 新型のウイルスに対しては誰も免疫を持っていないので感染が広がりやすく、流行はまだ半ばの段階と言えます。季節はこれから冬を迎えますが、適切な情報を入手し、「正しく怖がること」が感染や重症化を防いでくれます。

 新型の症状は、高熱やせきなど季節性とほとんど変わりません。発病後、タミフルやリレンザなどの抗ウイルス薬で早く治療を始めるほど、治りが早い点も共通しています。

 特徴的なのは、季節性にはそれほどかからない10歳代の患者が多いこと。特に秋以降、小学校高学年から中学生といった10歳代前半で急増しており、逆に、季節性にかかりやすい0~9歳は最近になって流行が広がっています。

 大半は季節性と同様に軽いまま回復しますが、5~9歳を中心に入院する例も少なくなく、特にぜんそくなどの呼吸器疾患を抱える子供は注意が必要です。症状が出てから肺炎や脳症になるのは発病当日か翌日までが多いです。

 急に呼吸の状態が悪くなることがあるので、子供を自宅で看護する場合、親が外出する時には子供を1人にせず、必ず見守る人をつけるようにしてください。

 予防には、感染経路を知らなければなりません。インフルエンザは、ウイルスを含んだしぶき(飛まつ)が患者のくしゃみやせきで周囲に飛び散ることによる「飛まつ感染」が大半です。しぶきは、1回のくしゃみで約200万個、せきで約10万個にものぼり、患者も患者に近づく人もマスクをするのが効果的です。

 手や指に付着したウイルスが鼻や口から入り込む「接触感染」の予防には、手洗いが簡単で役立ちます。空中を漂うウイルスから感染(空気感染)するように言われることがありますが、日常生活の中ではほとんど心配する必要はありません。

 医学的な対策には、ワクチン接種があります。ただ、これは死亡者や重症者の発生をできる限り減らすことが目的で、感染を予防することはできません。ある程度発病しにくくなり、重症化を防ぐ可能性はありますが、マスクや手洗いといった感染予防策は接種を受けていても続けてください。

 新型インフルエンザは、多くの人が免疫を持つようになるまで、流行を繰り返すとみられています。秋に患者数がある程度の規模になっても、再び冬に流行する可能性が十分にあることを知り、落ち着いて対策をとっていただきたいと思います。(2009年12月5日掲載の読売新聞から転載しました)

医療ルネサンス 郡山フォーラムは3回に分けて掲載しています
(上)新型インフル「正しく怖がる」(2010年2月18日)
(中)解熱後も2~3日は「感染源」(2010年2月19日)
(下)保育園の発表会は? 「中止が無難」 (2010年2月22日)
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