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坪田一男さんと坂上みきさんが語る

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(2)腹八分で寿命延長?

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ランするアンチエイジング

坪田一男(つぼた かずお)さん
1955年生まれ。慶応義塾大学医学部眼科学教室教授。専門の眼科に加え、アンチエイジング医療にも取り組んでいる。ヨミドクターではブログ「視的!健康論 ~眼科医坪田一男のアンチエイジング生活~」を連載中。
坂上(さかじょう)みきさん
1959年生まれ。パーソナリティー。ラジオ日本「坂上みきのエンタメgogo!!」、日本テレビ「おもいッきりDON!」にレギュラー出演中。テレビ番組やCMなどのナレーションも多数。趣味はランニング。
 

 坪田:アンチエイジングというのは、昔だったら秦の始皇帝が不老長寿の薬を見つけようとか夢見物語だったんだけど、今これがサイエンスになりつつある。なぜかというと、加齢、年を取るというメカニズムがだいぶわかってきたからですよ。わかってきたら、それに対抗すればいいんじゃないか。

 坂上:なるほど。

 坪田:今ふたつの仮説があって、ひとつは先ほどのピーナツとも関係するんですが、カロリーリストリクション仮説です。聞いたことあります? 略してカロリス仮説。

 坂上:ごめんなさい、難しいです。

 坪田:いや難しくないの。非常におもしろい。普通に食べているカロリーを腹八分とか、腹七分にすると、寿命が長くなるという、これだけの話。

 坂上:これは難しくカロリー計算をするのではなくて、単純に食べる量を7割、8割に抑えましょうということですか。

 坪田:まあ、量とも関係するかもしれませんが、正確にはカロリー。ビタミンとかたんぱく質とか必要な栄養素はとってカロリーは少なくする。マウスなどの動物実験では、1.5倍から2倍の寿命になっちゃう。しかも健康的に。不思議ですよね。ほとんどの動物でそうなる。

 坂上:えっ、そうなんですか。

 坪田:これがカロリス仮説。どうも冬眠とか、そういう長寿に関連する遺伝子が発現するみたいなんです。

 坂上:遺伝子ですか。

 坪田:メタボリックシンドロームは、これの逆と考えられます。太って動かないっていうことは、どんどん年を取っていく。メタボが年を取る、その逆がカロリスで若くいる、これがひとつの仮説です。

 坂上:メタボは太って動かなくなる。逆が走ったりとか運動するとかですね。

 坪田:そう。あともうひとつは、僕たちの体はさびていきます。酸化するということです。マヨネーズやバターを置いておくと酸化して、黄色くなったりします。あれが僕たちの体の中でも起きている。それが老化だという仮説です。今はこのふたつの仮説に対抗していけばいいというのが僕たちの考えているアンチエイジングです。

 坂上:酸化しないようにすること、メタボにならないようにすることですね。そうすると、アンチエイジングになる。年を取らないし、長寿にもつながっていく、こういうことですね。

 坪田:運動をすることは、このふたつの仮説にとってすごく大切なんです。

坪田さん・坂上さんのトークショーは4回に分けて掲載しています
(1)せんべいが先か、ピーナツか(2010年2月12日)
(2)腹八分で寿命延長?(2010年2月15日)
(3)ストレスは元気の源(2010年2月16日)
(4)片足立ちで鍛えよう(2010年2月17日)
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