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医療部発

医療・健康・介護のコラム

ショックな言動

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 読者のみなさま、はじめまして。高梨ゆき子と申します。

 私はこの度、医療ルネサンス「膵臓がん」を担当しました。

 今回の取材で患者さんやご家族のお話を聞いて、お医者さんの言葉や態度について、ちょっと考えさせられたことがあります。当事者でなければ気づきにくいけれど、言われてみて「なるほど気をつけたほうがいいな」と思えてきました。

 例えば、「延命」という言葉。進行した状態でがんが見つかったある男性は、なんとか手術できると聞いて「じゃあ、これから頑張って治療しよう」と思っている時に、「延命効果が~」なんて言われ、「治療したってもう治らないけど、命を引き延ばすことならできますよ」と言われているようで、かなりショックを受けた、というのです。

 ある女性は、末期で手術ができないとわかった途端にホスピスを紹介され、「まだ治療する希望を捨てたくない」と、病院を変えたそうです。手術できないほどがんが進んでいるとわかると、「もう用はないとばかりにお医者さんの態度が冷たくなった気がした」「話している間ずっと目をそらされ、傷ついた」といった話もあります。

 逆に、お医者さんが診察後に追いかけてきて「あまり気にしないほうがいい」などと言うので、かえって深刻な気持ちになってしまったという人もいました。

 事実関係をきちんと伝え、理解してもらわなければならない以上、避けて通れないこともあるでしょう。人によってものの感じ方、受け止め方は違うので、一概にこうすべきだと決めつけにくい問題でもあります。

 ただ、少なくとも必要だと思うのは、そういうふうに思う人もいる、ということを知っておくことかもしれません。それから、相手の立場に立ってみる、もしくは、相手が自分の家族だったらどうするか考える、ということを、自分なりにやってみることは、役にたちそうな気がします。お医者さんばかりでなく、病気の方々を取材する私も、常に気に掛けておきたいことだと思いました。

 
 

 

高梨ゆき子 社会部で調査報道や厚生労働行政を担当し、2008年12月から医療情報部。医療政策や医療安全を中心に取材。おすすめ映画は「ディア・ドクター」。今年の目標「節酒」。

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医療部発12最終300-300

読売新聞東京本社編集局 医療部

1997年に、医療分野を専門に取材する部署としてスタート。2013年4月に部の名称が「医療情報部」から「医療部」に変りました。長期連載「医療ルネサンス」の反響などについて、医療部の記者が交替で執筆します。

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17件 のコメント

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決意

幸福の木の花

今、また、六時間の手術を終えた、息子の同室の、同じ三年生の大変仲良しだった男の子が、部屋に戻ってきました。 息子は、麻酔がきれて痛くて泣いている...

今、また、六時間の手術を終えた、息子の同室の、同じ三年生の大変仲良しだった男の子が、部屋に戻ってきました。
息子は、麻酔がきれて痛くて泣いているその子の声を聞き、黙って、プレイルームに、一人出ていきました。この、数週間、繰り返し見てきた光景で、息子なりに、学んだことが、沢山あるのでしょう。男の子の、痛そうな鳴き声を聞き、本当は、泣きたかったであろうが、笑顔でたえた息子にかわり、私は、このコラム欄に、運良く載せて頂けた、息子の0歳からの、9年間の出来事が、誰かになんらかのメッセージに、なるならば、文章にまとめ、必ず、まずは、高梨さまに、いつか必ず送付したいと、決意いたしました。
息子は、今、無言で、絵を描いています。

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無駄なことなど何もない

幸福の木の花

「痛かった?」 「そんなに痛くはありませんでした。」 息子の言葉に、 「執刀医にとり、最高の誉め言葉だね。いかに、上手くできたかとう言葉だ。素晴...

「痛かった?」
「そんなに痛くはありませんでした。」
息子の言葉に、
「執刀医にとり、最高の誉め言葉だね。いかに、上手くできたかとう言葉だ。素晴らしい。」
9つになったばかりの、息子がネフローゼ症候群の腎生検を受け、宮崎大学付属病院での院長回診時に交わされた、鮫島教授と、小さな息子との会話でした。
息子は、ただ、聞かれたことを素直に口にしただけですが、それが、執刀して下さった先生への最高の誉め言葉、感謝の言葉になるとは、私も気付きませんでした。
息子には、腎臓医の三人の先生がついてくださいました。
此元先生、黒木先生、若松先生です。
前回入院時から、黒木先生には、ずっとお世話になっており、新薬をいただいた、この先、約2年は、外来にて、またお世話になり続けます。
そして、2年後、再び、腎生検が行われます。
入院すると、必ず、元気な友達や知り合いなどから、「可哀想に」と言われます。
確かに、嬉しい、楽しいことでは、ありません。が、毎回思います。
先生、看護師、プレイルームの先生、スタッフの皆さん、本当に頑張ってくれています。
中でも、患者さんの付き添いは、時には寝ずに、そして、四人部屋では、泣いている子供に変わって、親が「うるさくて、すみません。」等あやまったり、皆さんもちつ、もたれつで、とても寛容になります。
また、普通の暮らしの大切さが身にしみてわかったり、我慢することの大切も、学びます。
普通では学べない経験です。
命のありがたさがわかるのが、ここ、なんだなと、いつも感じます。
だから、必ず、意味はあり、無駄なことなど何一つないと、私は思います。
皆様、ありがとうございました。

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日本が後れているわけ

幸福の木の花

すぐそこに治る薬があるのに。 と、思っても、それが海外だと、手には簡単には入りません。 日本に認可され入ってくるまでには、10年から15年かかる...

すぐそこに治る薬があるのに。
と、思っても、それが海外だと、手には簡単には入りません。
日本に認可され入ってくるまでには、10年から15年かかると言われています。
ひと粒のお薬にそれだけの日数がかかります。
それは、日本独特の保険のシステム、手続き、費用等のてんからです。
その中でも、現実的に一番困難なのは、費用です。
一粒のお薬を認可するのに、数百億という莫大な費用がかかります。
医師たちが、研究を重ね、知識を得ても、形に変えるためには、それだけの費用が必要です。
国からの援助はありません。
認可したければ、医師や、研究者たちが、みずから、その金額を出すか、もしくは、スポンサーになるべく企業をさがし、成功の有無に関わらず、説得し、出していただく、その道しかありません。
これが、日本の医学がどうしても、海外に遅れてしまう理由のひとつです。
また、日本の保険制度も、その要因のひとつでもあります。
10年先は、医師が都市型集中のうえ、5000人足りなくなると言われています。
素人でも、これくらいの知識をもっています。現役のお医者様、研究者の皆様は、どれぐらい悔しい思いをされているのか、私にははかりしりきれません。
元気であることが、人間にとり一番です。
国はもっと多くの予算を、研究者や、医者たちにあたえるべきだと思います。

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