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肺がん

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「抗がん剤点滴」 手足にしびれ

 昨年、肺がんでタキソールやパラプラチンという抗がん剤を点滴したところ、手足がしびれて感覚が薄れ、痛みもあります。薬の副作用のようですが、何か解決策はありますか。(77歳男性)

末梢神経の刺激で軽減も

大江裕一郎 国立がんセンター東病院・通院治療部長(呼吸器内科)(千葉県柏市)

大江裕一郎 国立がんセンター東病院・通院治療部長(呼吸器内科)(千葉県柏市)

 手足がしびれる、それに伴い感覚が薄れる、痛みが出るといった症状は、タキソールやパラプラチンの代表的な副作用で、多くの患者にみられます。治療中から左右の手足に同じような強さのしびれや痛みなどが出ます。

 症状は、抗がん剤により、手足の感覚神経が傷つくために起きます。しびれは治療の回数を重ねるごとに悪化し、治療終了後もなかなか良くなりません。

 患者さんにとっては非常につらいことですが、根本的な治療法はありません。

 あまりにしびれがひどい場合は担当医に相談し、早めに治療を中止したり薬の変更をしてもらったりすることをお勧めします。

 ただ、指先をよく動かして末梢(まっしょう)神経を刺激したり、温めるなどして末梢血管の血液の巡りを良くしたりすると、しびれが軽くなることがあります。

 また、痛みがある場合は、鎮痛薬や、抗うつ薬、抗てんかん薬などの鎮痛補助薬を試してみるのもいいでしょう。症状が和らぐかもしれません。

 鎮痛補助薬を用いるのは、痛みが体へのストレスとなり、その心理的な要因が痛みを強くしている可能性があるためです。

 抗がん剤治療が終わって、かなり時間がたってからしびれが出たり悪化したりした場合や、左右の手足で症状の度合いが極端に違う場合は、副作用ではなく、何かほかに原因がある可能性もあります。そうした場合は、症状などを担当医に詳しく説明して下さい。

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