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抗がん剤「ジェムザール」 20%の患者で縮小効果

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定期的に井岡さん(右)の診察を受けながら、「がんとともに前向きに生きたい」と語るBさん

 手術不能の末期がんで、余命3か月――2002年8月、大阪府門真市のBさん(68)は自宅近くの病院でそう診断された。家族は何とか手術できないかと気をもみ、あちこちの医療機関の情報を集めた。

 本人はそんな気力さえなく身辺整理を始めたが、遺書はどうしても書けない。「本音では生きたいという気持ちがあったんです」。念のためと、大阪府立成人病センター(大阪市)を受診。すると、予想外の答えが返ってきた。「治療の可能性はあります」

 がんは7・5センチで、近くの大きな動脈にも広がっており手術では取り切れない。以前なら治療は難しかったが、その前年、膵臓がんでは初めての抗がん剤ジェムザールが承認された。約20%の患者に、がんの縮小効果があるとされる。

 同センターに入院したBさんは、週1回の抗がん剤の点滴と、放射線治療を受けた。幸い副作用もなく半年後に退院。その後も週1回の点滴治療を続けている。がんは1年後に2センチほどに縮小した。

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