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はつらつ健康指南

健康・ダイエット・エクササイズ

卓球で体も脳も元気

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「さまざまな人と対戦できるのが卓球の魅力」と話すパックンさん(東京・杉並区で)=加藤祐治撮影

 何か運動しようと思ったところ、知人から勧められたのが卓球。何だか地味なイメージなんだけど、体にいいの?

音が愉快

 東京・杉並区の卓球場。先月25日、落語家の林家こん平さんや三遊亭小遊三さんが作る「らくご卓球クラブ」の新春初打ち会がにぎやかに行われていた。

 183センチの長身でひときわ目立ったのが、NHKの語学番組「英語でしゃべらナイト」で活躍したパックンことパトリック・ハーランさん(39)。長い手足を生かして所狭しと白球を追い、観戦中も大きな声で場を盛り上げた。

 米国ではバレーボールや水泳の板飛び込みなど、いろいろなスポーツに熱中してきたパックンさんが卓球に出会ったのは、日本に来てから。1994年、福井県で英語講師をしていた時、教え子に誘われたママさん卓球がきっかけだった。96年に「らくご卓球クラブ」に入ると、ますますはまった。

 毎週月曜日の練習会、落語家だけでなく一般の人も参加。初心者、ベテランを交えて、対戦を楽しむ。2004年に神経難病の多発性硬化症を発症し、右手のしびれなどが出た林家こん平さんも、リハビリを兼ねて卓球に取り組んでいる。こん平さんのほかにも脳卒中など様々な病気の体験者もいるが、皆が自分のペースで練習に精を出す。何より、「らくご卓球クラブ」だけに、笑いが絶えない。

 「思いっきり球を打ってもけがをしないし、音が愉快。老若男女、すべての人と対戦できるのが卓球の魅力」とパックンさん。「僕は運動神経はいいつもりなんですが、ここでは、50、60歳代の9割にはかないません」

 どの年代でも気軽に始められ、多少体が不自由でもラリーを楽しめるという特性から、卓球はリハビリや高齢者の体力作りにも適している。

笑いながら

 さらに、「卓球は脳にいい」というデータもある。

 脳神経外科医で、卓球選手として国体出場経験もある湯布院厚生年金病院(大分県由布市)院長の森照明さんたちは、卓球愛好者に卓球をしてもらい、その前後での脳血流を測った。すると、卓球をした後は、小脳、脳幹部、前頭葉の運動をつかさどる部分の血流が増加していた。

 また、ふだん、運動をしていない人たち4人に1日30分、1週間、卓球をしてもらい、前後で全身反応時間をみるテストを行った。光が点滅したら、跳び上がるテストで、4人とも卓球をした後は反応時間が短縮した。

 「体だけでなく目や頭を使うスポーツ。卓球をしている人は『ボケ度』が少ないというデータもあります」と森さん。「ただし、健康に良いのは笑いながらできる程度の運動量。台を囲んでコミュニケーションを取りながら、楽しんでやってください」と話す。(館林牧子)

上手な人に習おう

 卓球用品メーカー「タマス」社員で、全日本卓球選手権大会男子シングルスで優勝経験のある岩崎清信さんに卓球の心得を聞いた。

 ラケットの握り方には、シェークハンドとペンホルダーがあり、ラケットが違う。どちらでも握りやすい方を選ぶ。ラケットは2000円くらいからあり、最初は安い物で十分だ。

 始める前にラジオ体操などの軽い運動やストレッチで体をほぐす。ひざを軽く曲げて腰を落とし、やや前傾姿勢で構えると動きやすい。

 長くラリーを続けるコツは「相手に上手な人を選ぶこと」。本格的に始めたい人は、癖が付く前にスポーツセンターなどの卓球教室でコーチについた方が上達は早い。

 ただ、「わいわいと楽しくやるのが基本。まずは気軽に始めてみてください」と話す。

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