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(1)偶然がんが見つかって

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読売新聞創刊135周年スペシャルフォーラム

 「創刊135周年スペシャルフォーラム」から、2009年11月12日に群馬県高崎市の高崎市文化会館で開かれた女優の仁科亜季子さんの講演「がんに打ち勝つ」の内容をご紹介いたします。

女優:仁科亜季子さん
1972年デビュー。NHKの大河ドラマなどで清純派女優として活躍。79年から芸能活動を一時休止し、99年に復帰。女優業のほか、がんに関する講演や啓発運動なども行う。
群馬大産婦人科教授:峯岸敬(たかし)さん
1977年群馬大医学部卒。海外留学などを経て、92年に日本内分泌学会の研究奨励賞を受賞し、2000年から現職。
聞き手:読売新聞編集委員 南砂(まさご)さん
1979年、日本医大卒。ベルギー国立ゲント大学留学。85年、読売新聞入社

子宮頸がんと子宮体がん

 :今日のテーマは「がんに打ち勝つ」です。今回は婦人科系のがんということで、まず最初に、峯岸敬先生に指南していただきたいと思います。

 峯岸:婦人科のがんの中でも、子宮がん、その中でも子宮の入り口にできる子宮頸(けい)がんと、子宮の奥の方にできる子宮体(たい)がんについてお話しします。

 子宮頸がんの検診というのは1950年から日本でも行われるようになりました。それまでは頸がんで亡くなる方も多かったのですが、検診が始まって以降、子宮頸がんで亡くなる方は著しく減ってきました。

 女性のがん全体では、乳がんの次に子宮頸がんが多いのですが、20歳~30歳に限ると子宮頸がんが最も多い。そこで、早めに検診を始めることが大切になります。仁科さんのころは35歳だったかもしれませんが、今は20歳になったら子宮頸がんの検診をしていただくことを日本産科婦人科学会は推奨しています。

 頸がんの病態も分かってきていて、「ヒトパピローマウイルス」というウイルスが感染すると頸がんになりやすい。そのウイルスに対するワクチンが、日本でも今年の終わりから使えるようになると思います(編注:このワクチン「サーバリックス」=グラクソ・スミスクライン社=は、2009年12月22日に発売されました)。

 子宮頸がんは見えるところにできるので、患者さんが検診を受けてくれれば、比較的、病態を追っていくことは簡単です。
しかし、子宮体がんに関しては、赤ちゃんが着床する場所、子宮の奥のほうにあるので、そう簡単に見ることができません。また、子宮体がんは日本でだんだん増えています。日本人の食生活の変化によって、脂肪から出るホルモンが子宮の内部の内膜に影響を与えて、がん化に関係するのだろうということも分かってきています。

 一般の検診では体がんの検診はしていないので、基本的には若い時でも、不正出血や生理不順がある方は婦人科の受診をきちんとしていただいて、自分のホルモンのバランスが崩れていないかを確認して、必要であれば婦人科を受診して下さい。閉経した後でも、不正出血があれば婦人科を受診して下さい。検診の内容は、基本的に子宮を見るんですが、子宮の内部まで検査器具を入れて、子宮の内部の組織をとります。

 超音波も盛んに使われています。超音波で見ますと、内膜の厚みがはっきりわかります。お年を召されると内膜の厚みというのはほとんどないのですが、不正出血があって内膜の厚みがあるようだと、精密検査が必要になるので、超音波と細胞・組織診を組み合わせる形が、体がんでは有用な検診となっています。

私、がんには無知でした

 :仁科さん、ご自身が体験されたことが糧になっているといったら言い過ぎかもしれませんが、体験されなかったら知らずに済んでしまうことかもしれませんよね。

 仁科:そうですね。私も38歳で子宮頸がんが見つかるまでは無知でした。当時もがん=死という考えがありましたし、「まさか自分が」というところがありましたので、体験しなければ通り過ぎていってしまった部分が多いと思います。

 私は35歳でがん検診の通知を頂いていたにもかかわらず、やはりその年齢というのは主婦にとって子育てなどで忙しい時期ですので、まずは子どもたちや主人のことを優先して、二の次、三の次。ひと月延ばしにしていた検診のツケが、38歳で回ってきたということです。ただ、初めての検診でがんと分かって、ラッキーだったんですけど。

 :検診で発見されたんですね?

 仁科:実は、本当の検診ではなく、たまたま食中毒になった時に内科のかかりつけの先生のところに行きまして、更年期障害の話が持ち上がって雑談する中で、「じゃあ調べてみようか」と調べたのがきっかけだったんです。発見は偶然だったんです。

 峯岸:症状がないのにがんが進んでいることもあるので、それは幸運なことだったと思いますね。

 仁科:症状はまったくなかったんですね、痛みとか。私は生理がすごく不順で、3か月なくても全然平気だったんですけど。

 峯岸:生理不順ならば、やはり放っておかないで診てもらったほうがいいと思います。

仁科さんの講演は6回に分けて掲載しています
(1)偶然がんが見つかって(2010年1月14日)
(2)がん告知に夫が倒れた…(2010年1月15日)
(3)「これ、あっこちゃんの敵だよ」(2010年1月18日)
(4)男の子が「女性って偉大ですね!」(2010年1月19日)
(5)初体験前にワクチン接種を (2010年1月20日)
(6)ストレス、あってもなくても…(2010年1月21日)
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