腰椎すべり症 生活上の注意は
長時間 同じ姿勢続けない
山崎隆志 武蔵野赤十字病院整形外科部長(東京・武蔵野市)
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腰椎すべり症とは、腰椎が前後方向にずれる病気で、無症状の方も多くいる一方、中を通る神経が圧迫されると腰痛や下肢痛などが起きます。生まれつき腰椎が弱いために起こる人もいますが、質問者のように中年以降に見つかる場合の大半は腰への長年の負担が主な原因で老化現象の一つです。中高年の経産婦に多く、女性ホルモンの影響もあると考えられています。
痛みの強い時は、痛み止めや筋肉のこりを取る筋弛緩(しかん)剤などを服用し安静を保ちますが、安静期間は3日程度にとどめ、徐々に日常生活に復帰していきます。
コルセットや腰椎ベルトの装着も有用です。我慢できる範囲の軽度な痛みであれば、普段どおりの生活を続けて大丈夫です。ただし、重い物を持ち上げたり、長時間の車の運転などで同じ姿勢を続けたりしないようにしてください。これらをきっかけに痛みが再発する方が多いからです。
痛みで日常生活の不自由が続けば、専門的な検査を経て手術が行われます。また、痛みが腰以外に下肢まで広がり、しびれや脱力で長時間歩くことが難しくなってきたら、腰椎の神経が障害されている可能性がありますので整形外科医に相談してください。