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日野原重明さんが語る

イベント・フォーラム

(4)運動を止められたら、ピアノを練習

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読売新聞創刊135周年スペシャルフォーラム

語り手:聖路加国際病院理事長 日野原重明さん 98歳
1911年山口県生まれ、1937年京都帝国大学医学部卒業、41年聖路加国際病院の内科医となる。1998年、東京都の名誉都民、99年文化功労者、2005年、文化勲章を受章
聞き手:読売新聞編集委員 南砂(まさご)さん
1979年、日本医大卒。ベルギー国立ゲント大学留学。85年、読売新聞入社

 

 

 :98歳で現役の内科の医師でありながら、ほかのことにも奔走している様子をうかがうことができます。みなさんが「あんな風になりたいなあ」と思うわけですよね。

 日野原:僕は10歳のときに、腎臓炎をやって1年間運動をとめられた時に、母がピアノを習わせようと考えてくれたんです。大正時代に男の子がピアノを習うことはなかったので学校に行くと「男なのにピアノなんて習いやがって」と言われ、練習がはばかられました。

 :先生は10歳のときに病気やお母様が死にかけられたことをきっかけにピアノのけいこをされて、それが第二の職業と言ってもいいようなプロ級の腕前だということなんですよね。

 日野原:21歳の医学部の1年生の時に結核になりました。今では治る薬がありますが、当時は結核の薬がなかったんです。

 1年中寝て、8か月はトイレに行けないほど絶対安静にしていた。その時にできることと言えば、レコードを聞いてメロディーをうつすということ。だからそれで作曲できるようになった。時間を大切に使い努力することによりできたんです。

 去年の秋ビクターから 日野原重明作詞・作曲の曲を出したんです。もうちょっと早ければ紅白に出られたのではないでしょうか。

 やったことはなくても、年をとれば時間がたくさん使えるわけですから、時間をかけてゆっくりいろんなことをやりましょうということなんです。

元気の秘訣は?

 :改めて先生にうかがいますが、先生の元気の秘訣はなんなのでしょうか?

 日野原:私は忙しくて寝る時間がすごく遅いんです。昨日は2時まで原稿を書いて今日は7時におきたんですが。私はやりたいことがたくさんあるんです。私はうつむいて寝ることを考えたんです。こうして寝ると2分で眠りにおちる。短くても熟睡できるんです。いわゆるうつぶせ寝なんですが、口が渇かないし、いびきをかかない。肩もこらなくなります。

 こうやって能率よく休むことを考えて、仕事する時間を増やして1日に18時間仕事をしています。普通だったら1か月に200時間オーバーだと過労死というのだけれど、1日に10時間オーバーだから僕は3週間に1回死ななきゃならない。

 :でも、そのように動いているから次々に好奇心がわきおこるんでしょうね。

 日野原:そうなんです。追求する癖があるんです。なんでも好奇心をもつこと。そしてなんでも知ってるような顔をしないということ。

 39歳でアメリカに留学した時に、講演会でみんなが笑ったとき、私も一緒に笑ったんです。そしたら隣の人が「あなたはわかったのか?」と言ってきたんです。日本人がにやりとするのはごまかす時なんです。

 隣に「なんですか?」って聞けばいいんです。

 なんでもわからなければ、子どもに聞いたっていいんです。子どもから聞かれてわからなければ、子どもと一緒に調べればいいんです。

日野原さんの講演は6回に分けて掲載しています
(1)ただ一つのバラとして自分を大切に(2009年11月24日)
(2)「葉っぱのフレディ」で、カーネギーホールの舞台に(2009年11月25日)
(3)10歳の子どもに命の授業 聴診器を使ってみる(2009年11月26日)
(4)運動を止められたら、ピアノを練習(2009年11月27日)
(5)食事は1日1300キロカロリー(2009年11月30日)
(6)生活習慣病は自分で治す(2009年12月1日)
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