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作家 絲山秋子(いとやまあきこ)さん 42

一病息災

[作家 絲山秋子さん]躁うつ病(3)入院 再復帰かなわず退職

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 再発し、(そう)状態で自殺を図った1999年8月から再び、当時勤めていた住宅設備機器の会社を休職した。

 都内の精神病院を自ら探し、入院を決めた。入院に当たり、まるで転居あいさつのようなハガキを何枚も作り、友人たちに送った。差出人の住所欄には、入院先の病院名や所番地を書き込んだ。

 「普通に考えたら異様なことでしょう。でも躁の時は、わからずにやってしまう。当時、友達はほとんどいなくなりました。無理もないと思います。そんなおかしなハガキをもらったら、みんな引いちゃいますよね」

 躁うつ病は、極端に気持ちが高ぶって落ち着きを失う躁状態と、憂うつで無気力感にさいなまれるうつ状態が交代で起こる。ただ、安定期には、これといった症状はなく普通の状態だ。

 「5か月の入院中、調子が悪い時以外はすることもなく、暇で暇でしょうがなかった。それで、何か文章を書いてみようと思いました」

 2000年に退院し、自宅で療養に入った。定期的な通院と、気分を安定させる薬や抗うつ薬、睡眠薬など数種の薬で体調をコントロールし、時折、文章を書きながら回復を待った。しかし、会社への再復帰はかなわず、翌年夏に退社を余儀なくされた。

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