高齢者の性・ブログ
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「元夫との性生活怖かった」「出産後に拒否したら脅された」…読者から
私が女性だから、ということもあるのでしょう。批判を覚悟の上で書きますが、反響のお便りを読むと、思わず、「男性よ、反省しろ!」(失礼)と感じるものが多いんです。女性の気持ちを配慮していないセックスのなんと多いことか。例えばこんな手紙。
嫌がっている妻に、もちろん興奮もしていないのに入れるから最初はなかなか入らないが、少しずつ挿入できました。何で挿入できたのでしょう?医学的なアドバイスをよろしくお願いします。(72歳男性)
原因は妻にあります。求めると汚らしいと頑強に拒否、それでも無理強いすると逃げ回り、とうとうダメでした。昔のパンパン時代が懐かしく思い出されます。(78歳男性)
元夫との性生活が怖くて、離婚するまでの27年間は苦しみと辛さだけ。生理痛の苦しさ、つわり、更年期の辛さ苦しさ、何もわかってくれませんでした。閉経になり、性交渉のために痛み、ただれ、時には血が出ることもありました。女として役に立たないといって女性を作り、やめてほしいと頼むとお前に代わりができるかと言って、口汚くののしられました。(62歳女性、夫と50代で熟年離婚)
出産後に拒否した時、外で発散するぞと脅されました。以来、我慢し、義務として演じています。いい加減卒業しろよ!と心の中で叫んでいます。(子ども3人のいる44歳主婦)
40歳で子宮筋腫で子宮を摘出し、退院したその日に「妊娠しないし、直にできる」と夫に言われ、とてもショックだったのを今も忘れません。私のそばで自慰行為をするだけでなく、平気でアダルトビデオを見るので吐き気がするようになりました。(60代主婦)
わかりやすいお便りばかり集めましたが、これじゃセックスがいやになって当たり前ですよね。「記事を読んで勇気づけられました。セックスレスでしたが、早速妻に見せて試みてみます」という内容の手紙が男性から2通ありましたが、これも少し心配。「こういう記事を主人に読んで欲しくないわ、少し迷惑とも思うのです。全国で『ほら読んでみろ』と騒動が起きているかもしれませんね」(57歳女性)という女性の声でセットで読ませていただくと、その心配は余計募ります。高齢期の性は大切とは書きましたが、互いの思いやりという大前提があってのことです。
日本性科学会理事長の産婦人科医、大川玲子さん(62)によると、男性の性反応は「性欲→興奮→射精」と単純で、相手と仲良くなくても射精できるそうですが、女性の場合は「まず親密な関係と適切な刺激→性欲→性的興奮」と、仲良くならないと性欲もわかないし、快感もないそうです。
男性にまず求められるのは、パートナーの心に近づくことではないでしょうか。
岩永直子 社会部で警視庁、厚生労働省担当を経て、2009年6月から医療情報部。1面の年間企画「長寿革命」も担当している。趣味は居酒屋巡りとダイエット。
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